教育学研究科IBコースの一授業風景

2017.05.16

今期受講している「IB実践研究II」という授業では、IBプログラムの実践校に赴き、授業を観察しながら研究課題を見つける、アクションリサーチという活動を進めているところです。いずれ教師として教鞭をとるようになった後に、継続的に研鑽を積んでいくための良いトレーニングとなると考え、広い視野をもって授業を捉えられるよう、日々知恵を絞っています。

しかし、一人だけで視野を広げたり、考えを深めたりすることは難しいので、授業での意見・情報交換の機会がとても役に立っています。今日の授業では、”Info Doodle” という情報共有の手法を用い、アクションリサーチの進捗状況について報告する活動をしました。”Info Doodle”とは、端的に言うと、絵や図、記号などの様々な表現法を取り入れ、まるで落書きのように、伝えたい内容を自由に工夫して表現する手法です。発表となると、パワーポイントや書面を通じて行うことが常だったので、落書きのような表現法を意識的に用いるという発想は新鮮でした。

発表内容は事前に準備していたものの、実際の発表では、新しい図を取り入れてみたり、表現方法を変更してみたりして、場の様子に合わせて調整した部分も随分ありました。これがやりやすいのも、”Info Doodle”の良いところなのかもしれません。内容の発信だけを目的とした発表とは異なり、今回は、自分の頭の中にある整理しきれないことや、モヤモヤした考えなどが、そのまま他の人と共有できたように感じました。そして、仲間からの意見やアドバイスを得て、頭の中に散らばっていた思考の断片を整理し、今後のアクションリサーチの進め方の糸口をつかむことができたと思います。

こんな風に、共に学ぶ仲間たちと意見や知識の共有・交換ができたときに、より一層IB研究コースで学ぶ楽しさが実感できています。理念を学ぶだけでなく、自らが実践者となって学習を進められるという得難い経験が将来につながると信じて、今後も楽しみながら学びを深めていきたいと考えています。

IB研究コース2年 冨田千暁