ネパールで行われた第8回アジアプロボノ会議で発表と難民キャンプの視察調査に参加しました。

2019.09.26

アジアプロボノ会議

主催は弁護士事務所、大学研究所、NGOの共同主催で国連開発計画(UNDP)とソロス財団が資金援助をしてくれていました。参加者は700名弱で、アジアのみならず世界各国から法曹関権者と所謂パラリーガル、大学関係者、NGO等が参加しました。プロの職業を通して社会正義を実行するための善意のボランティア活動をどう行うかということを考えるのが会議の主旨です。もともとは米国の弁護士たちが始めたと聞いています。

日本からの出席は13名で法務省から3人、(女性の若手裁判官、UNDPのニューヨーク事務所に派遣されている検事、国際関連を担当している法務省の役人)、ビジネスローファーム大手から若手弁護士1人、大阪のヒューマンライツ系NGO1人、と東大チーム8名でした。東大チームは「人間の安全保障プログラム」の教授が2人、弁護士資格を持つ研究者(韓国籍)が1人、ネパール人東大博士課程在籍の学生と東大学部生2人、そして玉川大学修士課程在籍の私でした。

私は分科会で「在日ネパール人の子どもの教育」についての発表をしました。日本の移民政策とその背景、国家予算から地方に降りてくる教育予算、市町村の仕組み、また特に外国人が日本の公教育に入ろうとするときに関係する教育基本法、学校教育法を私は説明しました。去年勉強した教育行政の授業がとても役に立ちました。インターナショナルスクールが正規の教育にあたらないと説明した時には会場にどよめきが起こりました。初めての国際会議参加、発表となりましたが、視野が広がり楽しかったです。

難民キャンプ視察調査

貧しい国ネパールですが、難民キャンプが何か所かあります。今回は2か所を訪問しました。

  • ブータン系難民キャンプ:これはブータンから民族浄化でネパール系難民が排斥されてネパールに流入した人たちです。30年経つ難民キャンプでは高齢者、障碍者が多くいました。
  • ロヒンギャ難民キャンプ:この人たちはミャンマーからやはり民族浄化で排斥され、迫害され2年前に逃げてきた人たちです。ミャンマー、バングラデシュ、インドを通って、ネパールにやってきました。訪問したキャンプの状況は過酷で、一言で言うと「悲惨」でした。川の上に掘立小屋があり、雨水を飲料水としていました。乳幼児の数も多いのに衛生面ではシャワーなども見当たりませんでした。

これらの難民キャンプは、難民送出国との軋轢、近隣との関係、宗教、慣習の問題、教育、医療の問題とそれぞれがそれぞれに複雑に絡み合った問題が多く一筋縄では解決しないことばかりでした。それでも目の前に苦しんでいる人たちがいるわけであり、関係者が共同して考えていくことの重要性を感じました。

今回の国際会議と難民キャンプ視察調査を通して、自分が大学院生としてできることをもっと自覚的に挑戦していきたいと思いました。出来ないという言い訳を探すのではなく、挑戦できることの幸運を常に言い聞かせ、これから玉川大学大学院での研究に励んでいきたいです。

(長期2年、T.T.)