学会発表を終えた院生の「つぶやき」

2025.12.19

学生ニュースは、教育学研究科の院生がそれぞれの関心ごとやテーマを持って書いています。もし、院生としての生活や授業の様子に興味のある方がいらっしゃれば、ぜひ過去の記事もさかのぼってお読みいただければ幸いです。
さて、今回は、院生として挑んだ「学会発表」について綴ります。発表を終えたばかりで、達成感と解放感に満たされている(といっても修士論文の提出を間近に控えた束の間の解放ですが)、今だからこそ感じた所感を、素直に書こうと思います。

対話の「入り口」としてのポスター発表

今回、私が選んだのは「ポスター発表」です。研究の概要を紙面にまとめ、来場者と対話を重ねることができ、自身の研究を深め、新たな視点に気づかせてくれる充実した時間となりました。そして、その対話の媒介となるのが、まさにポスターでした。
実は、私のポスターは、発表のギリギリまで内容に四苦八苦しながらの作成となってしまいました。なぜかというと、当初、私は「ポスター=自分の言いたいことの強調」だと思い、自身の主張を前面に押し出した構成にしていましたのですが、ふと、ある授業の中で、「学会のプログラムをみて、発表ブースのテーマを概観から来場者を想定し、どの程度、『自分の言いたいこと』を伝えるための、“背景”や“事前情報”を説明するかを想定して資料(ポスター)を設計する」と話していた先生の話を思い出したのです。
その言葉をもとに、研究の背景となる「問題」や「課題」、あるいは会場で共有されている「共通認識」をどこまで描くべきか。それを見極める視点がなかったことに気づき、慌てて資料を見直しました。「相手が納得できる道筋を用意してから説明する」重要性を、改めて、学ぶことができました。

対話を通じた学び

会場では、さまざまな研究発表が行われ、意見交換が行われます。その中で、私と同じように研究に取り組み始めた先生方と意見を交わすことができる機会に恵まれました。
相手の研究の一助になればと話すうちに、逆に自分の研究の意義や目的がより明確になっていく。見落としていたかもしれない考察のヒントが、ふと頭に浮かぶ瞬間がありました。多義的で創発的な対話は、相手のためにも、自分のためにもなるのだと再認識できました。

学会の醍醐味(?)——“あの”著者との出会い

個人的に、“学会の醍醐味”だと感じているのが、書籍の著者に直接お会いできることです。今回、私のポスターに足を止めていただいた方の名札にふと目を落とすと、よく知った名前が…!つい、研究以外のことも相談させていただき、とても有意義な議論の時間をいただけました。

まとめ

今回は、学会発表を通して私が感じた、「自分の考えを相手に論じるための構成の必要性」「研究のアイデアをもたらす対話の可能性」「学会という場で多様な出会いや繋がりが生まれること」について(つたない文章ですが)書かせていただきました。
修士論文の提出はもうすぐ。気持ち的には、すぐに書いて終わらせたい。ですが、今回の気づきや手応えを反映できるよう。もうひと踏ん張りしようと思います。では、これから、修論に取り掛かってきます。

教育学研究科 乳幼児教育研究コース2年H.Y.