1年を振り返って ―秋学期の「教育史研究」と「障害児保育研究」での学びから見えたこと―
2026.02.27
秋学期を終え、大学院に入学してから一年が経とうとしています。入学当初、M2の皆さんに温かく迎えていただいたあの日のことを、今でも鮮明に覚えています。期待と緊張が入り混じる中で始まった大学院生活でした。春学期の授業が始まるとすぐに、自分とM2の皆さんとの知識量や経験値の差に圧倒されました。論文を読み込み、研究を進めていく姿勢の違いに触れ、「自分はまだまだだ」と痛感する日々でした。それでも、グループディスカッションを重ねる中で、対話が自分の思考を広げ、深めてくれることを実感しました。春学期から秋学期へと進むにつれ、「学ぶことの面白さ」を改めて感じられるようになりました。
秋学期に履修した「教育史研究」では、ペスタロッチーやケルシェンシュタイナーに強く惹かれました。彼らの「労作学校」と「即事性」という概念は、私の保育実践と強く重なりました。即事性とは、自分の気分や思い込みではなく、事物の条件や法則に誠実に向き合う態度のことです。例えば、積み木が何度も崩れる経験の中で、子どもが素材の性質に自分を合わせていく姿。その姿はまさに、労作を通して育つ人間形成そのものだと感じました。教育とは知識を与えることではなく、現実と向き合う姿勢を育てることなのだと改めて考えさせられました。
また、「障害児保育研究」の授業では、児童発達支援センターや地域の発達支援事業について自ら調べました。制度や支援体制を学ぶ中で、医療的ケア児を受け入れている自園の実践を改めて見つめ直す機会となりました。支援は単なる制度理解ではなく、現場でどのように活かされるかが重要であり、医療的ケア児の保育においても、多職種連携や保護者支援の視点が不可欠であることを再認識しました。
仕事を続けながらの大学院生活は決して容易ではありません。しかし、それ以上に、日々の実践を理論で問い直し、理論を現場で確かめるという往復運動が、自分自身を確実に鍛えてくれていると感じています。

先日開催された修士論文発表審査会の後、発表を終えたばかりのM2の皆さんとM1が一堂に会し、語り合う機会をもちました。共に学び、支え合える仲間に出会えたことも、この一年の大きな財産です。M2の皆さんから受け取った学びを胸に、次の一年も研究と実践を往還させながら歩んでいきたいと思います。
教育学研究科 乳幼児教育研究コース1年Y.I.




