谷先生Vol.1:〜「場所」と「時間」と「モノ」〜

2016.06.28

「6年生なんだから自分で考えて行動しろ。」と言われると、何をすればいいのか分からなくなる。僕の頭はなにがなんだかわからなくて、混乱する。

これは、『発達障がい児本人の訴え』(※1)という本の中で発達障害の子ども本人が述べている言葉です。
何も指導せずに「自分達で工夫してやりなさい」と言っても子どもたちは途方にくれてしまいます。やることを明確にして、場所と時間とモノを与えることが、コツだと言われています。
例えば、「レストラン方式」という給食時の机の配置があります。また「調べ学習」をさせるときに「資料を中央に配置し、すべての机を壁につけてしまう」というレイアウトもあります。机を壁につけて中央のスペースを広くとることができるのが特徴です。私も教室でよく使っていました。
他にも、一部の机を動かして部分的にスペースを作ったり、両サイドに机を寄せて、中央の通路を広くとったりと、様々なバリエーションがあります。
資料の数や、相談しているグループの数、他の教室へのアクセスなどを考えて、その場に応じて変化させるわけです。
こうした「場の工夫」は体育や図工や理科ではもちろんですが、社会科や国語や音楽でも、その時々の学習に応じて使い分けると良いようです。
一年中「コの字型」にしている教室があると聞きますが、それでは活動がダイナミックにならないと思います。
時間を保障することも大切です。資料から考えられることをできるだけたくさん書かせる場面なら、少なくとも「5分」は必要です。係活動やイベントの準備なら、当然もっと時間がかかります。
場所を与え、時間を保障し、そして「モノ」を持ち込むことが、子どもを活動させるポイントの一つです。