安藤先生Vol10:インクルーシブ教育に向けた「学校の5つのシステム」について考える(第6回)

2017.01.13

今回は「個別の支援計画」と「合理的配慮」について考える。
特別支援学校、特別支援学級では、「個別の指導計画」という各教科における個々人の計画の作成と保護者への提案というシステムによって、教育の質と教師の専門性が向上したことは、周知の事実である。
通常学級では、上位概念である「個別の支援計画」、つまり保護者との方針共有が重要であり、このシステムが同様に教育の質と教師の専門性を向上させると考える。
出会ってから、なるべく早い時期に、指導についての正式な説明と共通理解が重要と考える。指導についての保護者との共有とは、指導内容ではなく、子どもの将来を意識した方針や、子どもの認知的強みや、子どもの弱みを支援するテクノロジーなどの、どの教科・内容にも共通する「効果的な学び方」などについて確認するということである。これが責任としての合理的配慮の提案と説明いえると考える。合理的配慮は、要求に対しての対応という受け身の側面だけではなく、子どもが学習に参加するために必要な具体的で効果的な学び方の提案と説明という側面を強調すべきである。