山口先生Vol.6:正直は一生の宝!〈2回目〉

2017.02.03

子供たちがまだ幼かったときには、“正直を美徳とし、それを大切にしなさい”という教えに対して、私も、愚妻も、子供たちも、何の疑問も抱きませんでした。子供たちは、幸い、幼稚園の先生たち、小学校の先生たち、そして周りの大人たちから、さまざまなかたちで、“正直を美徳とし、それを大切にしなさい”という教えを受け、正直であることを善きこととし評価されてきました。それゆえに、子供たちは、正直であることをあたりまえのこととして自然に身に付けることができました。

 しかし、中学校に入学して以降、長女は、これまでと同じく正直であることが必ずしも好ましいこととして受け止められていないのではないかと感じる機会に幾度となく直面したようです。詳しくは教えてくれませんが、正直に振る舞うことが、結果として相手を傷つけてしまったたり、苛立たせてしまったりする経験をしたようです。

 相手を心から思っての助言や誰が考えても妥当で正しい主張であったとしても、それを正直に口にすることによって、トラブルを引き起こす可能性がある。それだけでなく、正直であればあるほど、このような可能性がますます高くなる。そのため、長女は、“正直を美徳とし、それを大切にしなさい”という教えの正しさに確信をもてなくなってしまったのです。