佐藤修先生小学校プログラミング教育必修化とAI人材育成の関連

2020.01.06

Socity5.0時代を前に、政府は人工知能(AI)分野の人材を育成するため、ICT環境を整備し、AIに関する基礎知識「数理・データサイエンス・AI」を「読み、書き、そろばん的な素養」と位置付け、小中高の児童生徒が1人1台の端末を活用する授業を実施する他、文系や理系を問わず全大学生がAIの基礎を学ぶ全国共通のカリキュラムを今年度中に作成する等の「AI戦略」を決定しています。
2020年から全面実施される小学校新学習指導要領では、小学校プログラミング教育が必修化されます。これからの時代を切り開くために求められる人材の育成に有効な方策としてプログラミング教育があると捉え、順次中学校、高等学校においてもプログラミング教育が拡充・必修化されます。
ある調査では、小学校でプログラミング教育が充実するということについては保護者の半数以上が知っているそうですが、一方、中学校・高等学校も変わるということは9割の保護者は知らないという結果が出ました。
小学校プログラミング教育を指導するに当たり、「ICT環境・インフラの整備」「教材不足」「情報に関する知識等の不足」等が課題となっています。政府は12月5日、教育用ICT(情報通信技術)環境の整備拡充などを盛り込んだ総合経済対策を閣議決定しました。次期学習指導要領では、学習の基盤となる資質・能力として言語能力と同様に「情報活用能力」が位置付けられていますので、これからの学びにとって、ICTは「マストアイテム(=必需のもの)」であり、児童生徒1人1台の端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指すことはありがたいことです。ただし、導入する端末は5万円前後かそれ以下の価格を想定しているため、メーカーも対応できるのかといった問題や、Wi-Fi等の通信環境、ソフトのアップデートやセキュリティー対策、ICT支援員等の専門スタッフ、機器更新にかかる継続した予算・運営等の課題解決を願っています。