澤田先生:理科教育のABCVol.3:理科学習と主体的な問題解決

2012.04.23
澤田 妙子

理科は問題解決によって成り立つといっても過言でないほど重要なのです。
国立教育政策研究所の教師を対象とした調査では、観察・実験において問題を意識させ、結果の予想を立てさせるなどを重視した授業を行っているが95.4%でした。この結果のように実際の理科の授業では、問題解決の過程を大切にした授業がされているのです。
しかし、観察、実験の結果やデーターを基にして考察し、結論を導き出すことに課題があるということは、問題解決の過程をたどった授業を行うことが目的になっていて、真に児童にとっての問題解決の過程にはなり得ていないのではないかと考えられます。
では、主体的な問題解決の過程とはどのようなものなのでしょうか。
問題解決の過程は、下図の「問題解決の過程」のように、子どもが自然の事物・現象に働きかけ、そこから問題を見いだし、自らもった予想や仮説を基に観察、実験などを行い、結果を整理、考察し、結論として科学的な見方や考え方をもつようになる過程のことです。
言い換えれば、児童にとっての「主体的な問題解決の活動」とは、児童が問題を見いだし、自分で解決し、その過程を見直し、新しい問題を見いだし解決していく活動の連続だといえます。
児童が「主体的な問題解決」を行うためには、次のような意識をもつ授業を展開することが大切になります。つまり、
 児童が自分で見いだした問題、
 自分が設定した予想や仮説、
 自分が考え観察や実験の方法、というように、
問題の明確化から結論に至るまでの一連の問題解決の過程を「自分が行っている」という意識をもつことが重要なのです。

<問題解決の過程>