田原先生Vol.1:家庭内暴力をする子どもへの対応(1)

2015.06.26

家庭内暴力をする子どもは、学校で「良い子」であることが少なくありません。不登校の子どもの一部にも家庭内暴力が見られます。背景や対応法を考えてみましょう。
一般に家庭内暴力は、家庭内の誰かが別の誰かに暴力をふるう行為ですが、通常は子どもが保護者・兄弟等の家族に暴力を行うことを指します(保護者が子どもに暴力をふるえば児童虐待、夫(あるいは妻)が配偶者に暴力をふるう場合にはDVと呼びます)。家庭内暴力の種類としては「無視し続ける」「反抗的態度をとる」「暴言をはく」「家具や調度品などを壊す」「金品を強要する」「なぐる、けるなど身体的暴力をふるう」などがあります。暴力の程度も、軽くたたく程度の軽微なものから、保護者に骨折など重傷を負わせるといった重篤なものまで幅があり、さらには想像を絶するほど家を壊す、刃物を持ち出して保護者を追いかけ回すといった状況にまでエスカレートすることもあります。
家庭内暴力は、期間が長引くにしたがって深刻になる傾向があります。暴力を受けるのは母親が最も多く、奴隷のような扱いを受けるケースもあります。突然、真夜中に起こされ、昔の恨みつらみを何時間も延々と話し始めることがあります。母親が眠たくなり「あくび」をしようものなら、さらに文句が加わり、暴力になります。保護者は、突然、些細なことで豹変して暴力をふるう子どもにおびえ、このような生活が24時間、1年中続くことに疲れ、ウツ状態になったり、自殺したくなったりしてしまうことも珍しくありません。