谷先生Vol.7:授業に「リズムとテンポ」をつくるための6つの条件とは

2015.12.25

小学校の授業でも、大学の授業でも、授業である限り「リズムとテンポ」をつくる基本原理は同じだと思います。
講義の後で、学生に感想を書かせることがあります。最初の頃は、「リズムとテンポ」「スピード感」などに触れた感想があります。

■話のリズム、テンポがとても良くて聞いていて面白かったです。メモをたくさん取りました。
■端的にポイントを絞ってテンポよく授業が進むので、頭に入りやすいです。

そもそも「リズムとテンポ」という言葉が、大学生から出てくることがすごいと思います。数年前にはなかった現象です。
「リズムとテンポがいい」というのは、単に「早口」なのではありません。考えさせるポイントがあるのです。

■先生の授業は聞いているだけでなく、考えさせてくださるのでとても気持ちが良いです。朝から頭を使えて目が覚めました。
■授業の流れが洗練されていて、あっという間の90分でした。

「リズムとテンポのある授業」の条件をまとめてみました。

①適切な「作業指示」があること。

一方的にしゃべるのではありません。学生が小刻みに作業をしながら考えることができるように学習活動を仕組むからこそ、心地よいリズムとテンポが生まれるのだと思います。

②「前置き」をしない。

授業開始の局面は大切です。
例えば、私は次の言葉から授業を始めたことがあります。

社会科を子どもに教えるとき、その中味は二つあります。
学年が発表になりました。子どもたちと出会うまでの数日間でどんな準備をしますか。できるだけたくさん書き出しなさい。
一番簡単な教材開発です。一位数+一位数の教材をつくるとき、最初にする作業は何ですか。

つまり、適当に授業を始めるのではなく、できるだけ開始の仕方を確定しようとしていました。
導入で余計な前置きをしないこと、言葉を削り、確定しておくこと、適切な「作業指示」をすること、等々が大切なようです。

③「作業」させたら「確認」し、個別に評定し、そして褒めること。

させっぱなしではいけません。列指名をして書いたことを言わせてみます。どんな意見も基本的には褒めます。その上で、いい悪いを明確に言うようにします。

④個人の作業、ペアやグループでの話し合いを組み合わせること。
⑤列指名を多く、挙手指名を少なくすること。
⑥学生に板書をさせ、次々に発表させること。

こうした工夫を毎時間することで、リズムとテンポが生まれるのではないかと思います。
アクティブ・ラーニングということが言われています。小学校の授業でも大学の授業でも、基本は同じではないでしょうか。