安藤先生Vol.6:インクルーシブ教育に向けた「学校の5つのシステム」について考える (第2回)
2016.02.12
今回は「1.コーディネーターの養成と配置」について詳しく述べる。
まず、コーディネーターの役割について以下のようにまとめた。
- 全校児童生徒の観察とオンザフライミーティング(気づきの促しと早期発見)
- 相互コンサルテーション(信頼関係)
- ケース会をリードする(事前準備、短時間の工夫、参加者の持ち味を生かした具体的支援の決定)
- 心理教育アセスメントの知識(WISC、K-ABC、行動分析、運動発達など)
- 学校全体の心理教育的援助サービスシステムの構築(予防的かつ開発的支援、1次~3次的援助サービス、学校スタンダード、校内研究)
(1)について、授業中、休み時間を問わず、校内をウロウロし、児童生徒の観察になるべく多くの時間を費やしてほしい。筆者の観察視点は「上履きがはけているかどうか」「フードかぶり」などである。
そして、担任とのオンザフライミーティング(雑談)である。「〇〇さん、最近フード被ってるね」「〇〇さん、あくびが多いね」「〇〇さん、抜毛?」「〇〇さん、一人が多い?」「〇〇さん、貧乏ゆすり」「〇〇さん、言葉がきつい?」「〇〇さん、あの問題は解っていなかった」「〇〇さん、漢字のテスト苦手?」「〇〇さん、板書を写すの遅いね」などの情報提供である。
これらのオンザフライミーティングにより、相互的な情報交換と相互コンサルテーション、相談が始まり、学校全体に気づきの視点が広がり、活性化し、そして早期発見につながるのである。