K-ABCの研修会に参加しました

2012.03.15

3月6日(火)、13日(火)の両日、田原教授によるK-ABCの研修がありました。今回の研修は、私たち学生がお願いをして、田原教授が快く引き受けてくださって行われた研修会でした。
3月6日(火)は、K-ABCテストの特徴を学びました。K-ABCは、子どもの知的能力を、認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価し、得意な認知処理様式を見つけ、それを子どもの指導・教育に活かすことを目的としています。人間の認知処理過程には、継次処理と同時処理があります。継次処理とは、1つ1つ順々に分析しながら処理する能力(例えば、ことばを聞き取るような場面での処理)です。同時処理とは、まずは全体としてとらえ、その中で関係づけしていく能力(例えば、絵を見る場面での処理)です。K-ABCでは、継次処理が得意か、同時処理が得意か調べることもできます。

特徴を学んだ後、K-ABCの14個ある下位検査項目について学生が説明をし、実際に検査を体験してみました。14個のうち、認知処理過程を測る検査が9個、習熟度を測る検査が5個あります。私が担当した下位検査項目は、検査11【算数】と検査12【なぞなぞ】でした。【算数】は、家族で動物園に行った設定のお話で、お話の中に出てくる算数の問題を解いていく検査です。【なぞなぞ】は、検査者が出す3つのヒントから答えを考える検査です。他に、【魔法の窓】【手の動作】【絵の統合】【数唱】などがあります。
3月14日(火)は、記録用紙の記入や記録用紙の分析の仕方を学びました。検査後、記録用紙は、「検査結果の基準」という表を使って処理、分析していきます。換算表を使い、粗点を評価点にしたり、標準得点の誤差範囲を求めたりします。そのような処理をして、記録用紙を完成させます。記録用紙が完成したら、パターン分析を行います。パターン分析とは、どんなことが得意で、どんなことが不得意かを記録用紙から分析をし、指導方法を考えていくことです。検査を行い児童の状態を知ることも大事ですが、それ以上に、検査の結果を生かして児童の指導に当たることが大事です。児童の自己実現のために検査の結果を有効に生かしていきたいと思いました。
3月14日(火)のこの研修会で、教職大学院で学ぶ授業が全て終わったことになります。先生方から多くのことを教えていただいたり、ストレートマスターや現職の仲間と一緒に学んだりした202号教室ともお別れです。先生方をはじめ、すべての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。1年間ありがとうございました。

(現職院生・M.A.)