スーパーマーケットを題材にした模擬授業を行ないました

2011.06.24

6月20日(月)の1・2限に,谷准教授による「社会科指導の計画・実践・評価」の講義で,現職院生とストレートマスターの3名が模擬授業を行いました。
「買い物」についての単元の導入でどのような学習活動が考えられるか、3人がそれぞれ違う提案をしました。5分間というとても短い時間制限の中、それぞれに特長がありとても興味深い提案になりました。

  1. 新井先生
    1. スーパーマーケットの絵を見て気づいたこと、思ったこと、分かったことをカードに書く。
    2. カードに書いたことを3人グループで話し合う。その際、友達のカードに以下の観点で記号を書き込む。
      ・自分も気づいたけど書かなかった→○ ・自分は気づかなかった→◎
    3. カードに書いたことの中でお客さんにたくさん買ってもらうための工夫はどれか考える。

  2. 山口先生
    1. カレーの材料をどこで買う考える。
    2. どうしてそこで買うのかおうちの人にインタビューすることを伝える。
      ※この後インタビューの答えを予想する学習活動を行い、店を選ぶ基準に着目させる。

  3. 丸山先生
    1. スーパーマーケットの写真を読み取る。
    2. 八百屋の写真を読み取る。
    3. トマトの実物を見て、スーパーか八百屋のどちらで買ったか考える。
    4. その答えの理由を考える。
      ・答えは八百屋。(陳列されている写真を見せる)
    5. スーパーで買ってきたトマトを見せ、バーコードがついていることを確認させる。

  4. 谷准教授の講評
    • 資料や物を準備していたら半分成功していると言えるだろう。トマト、写真、絵など様々の具体物、半具体物が用意されていてとても良い。
    • 授業の効率化(無駄を省く)→スピーディーに能率よくテンポよく進めることは良くないことだと思われがちだが、効率良く指導していく視点が大切である。
    • KJ法。今回の新井先生の提案では、1.できるだけたくさん書かせる 2.何を書いてもよい 3.児童が自分で分類できるようにする 4.児童が分類したもの中で、教師が今回教えたいと思う意見を取り上げること等を学習活動の中に取り入れていくと良い。
    • 店を選ぶ基準を近い・安い・品質・時間などの観点でをまとめることができると良い。
    • 児童に指示する言葉が確定されているので活動の指示が明確になっている。
    • 「似たようなものを書いた人」という発問で手を上げさせてまとめるのは良くない。なぜなら似たような意見と児童が思っていることが実はまったく似ていないことがよくあるから。→子供にすべて意見を効率よく出させると良い。
    • バーコードに着目させたのはよい→トレーサビリティー・商品の管理などの学習につながっていく。
    • 3人の提案のほかにもスーパーマーケットの絵を使って,「この日は何曜日か?」「何時ごろか?」「○市にスーパーは一つしかありません。この市の人口は何人でしょうか?」「リサイクルコーナーの物はどこに行くのでしょうか?」「自分たちの住んでいるところの近くにあるスーパーマーケットの様子はどうなっているか?」など様々な発問が考えられる。

今回の授業を通じて一番感じたことは,一つの教材でも切り取り方がたくさんあるので、教師がその単元で何を教え、どのように評価していくのかということを明らかしておくことが大切であるということです。3人の模擬授業者の方は本当にお疲れ様でした。大変勉強になりました。

(現職院生・I.S.)