西村先生:生徒指導のABCVol.4:暴力行為について

2012.02.06
西村 哲雄

平成22(2010)年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(岩手県、宮城県、福島県を除く。平成23年8月4日・文部科学省初等中等教育局児童生徒課)による全体の暴力行為の発生件数(国公私立小・中・高の対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物損壊の合計)は、58,899件。
過去4年間の暴力行為の発生件数の推移を見てみると、平成19年度より52,756件、59,618件、60,913件、58,899件と増加傾向にあります。
小中高別には下図のようになります。

小学校における暴力行為のうち、対教師暴力の件数は、平成19年が874件、平成20年度が1,001件、平成21年度が1,057件、平成22年度が1,130件と増加傾向にあります。
暴力行為のうち、生徒間暴力、対人暴力、器物損壊といずれの項目も発生件数のピークは平成21年度となっていますが、対教師暴力の件数だけは下がっていません。大変深刻な状況です。

                                 (件数)
年度対教師暴力生徒間暴力対人暴力器物損壊
平成19年度 874 2,933 119 1,288
平成20年度 1,001 3,849 166 1,559
平成21年度 1,057 4,303 167 1,676
平成22年度 1,130 4,227 144 1,451

学校における生徒指導体制を強化するとともに、ロールプレイ演習、児童生徒理解研修、事例研究などを通して教師の生徒指導能力の向上を図っていくことが重要です。