講義の概要

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基本科目群

教育課程編成の研究と実践

教育課程編成の意味、学習指導要領の歴史的変遷と特徴を概観し、実際の学校のカリキュラム編成の事例を考察するとともに、カリキュラム・マネジメントの考え方を理解し、実務能力を身に付け、学校における教育課程編成の理論と実践を学習する。具体的には「教育課程の編成の意味」「学習指導要領の歴史的変遷」「学校でのカリキュラム編成」「個に応じた教育課程」「カリキュラム・マネジメントの研究と実務」「教育課程の評価と改善」について授業を行う。理論と実践の往還を図るために、事例研究・シュミレーション・グループ討議等の授業形態を取り入れた受講者の授業への積極的参加を求める。

授業デザインの研究と実践(小学校)

学習理論をふまえた授業デザイン論にのっとり、学習指導案の作成と検討を行う。具体的には、学習指導案をデザインするプロセスに即して、学習指導要領と教材の本質に照らして、目標の明確化、課題(問い)の分析、教材研究、授業評価の方法の検討の各段階について、実際に指導案を検討しながら学習する。この授業を通して、授業の改善という視点に立った、評価に裏付けられた指導案を作成するための知識と技術を身につけ、教員へ指導できるだけの理論的背景を含めた力を身につける。

教科教育の研究と実践

教科教育のデザインと実践においては、授業で用いる教材や学習者の実態に関する研究が必要である。その上で、実践の結果を正確に捉え、改善に向けた分析と研究が欠かせない。本授業では、教科学習のデザインと実践のリフレクション、改善のために必要な知識・技能を学ぶことを目標とする。学習デザインの基本として必要な学習指導要領や教科学習の内容、教材については講義・グループ討議を中心とし、授業デザインの立案や実践の評価に関しては、実際の指導案や授業ビデオなどの検討・改善を中心としたワークショップの実施などを通じて改善案を策定するなどの共同的な学習を行う。主体的・対話的で深い学びの成立をめざすために教材に即して必要な要件、言語活動を成立させる要件を考え、学習をデザインし、改善していくことができる能力を身につける。

教育方法の研究と実践

本授業では、教師の授業力の本質を解明し、授業力を向上させるための努力の方向を明らかにして、教室での授業が大きく変化することを目的としている。すぐれた教師はすぐれた教育技術と子どもへの適切な対応力を身につけている。講義、演習、すぐれた授業者の実演等によって学んでいく。

生徒指導と特別活動の実践と課題

子どもたちの人間関係の希薄化や発達上の課題が顕在化している現状において、生徒指導、特別活動の意義を問い直し、その内容と方法を理解して、それぞれを効果的に進める方策について考察する。生徒指導については、暴力行為やいじめ、不登校等の諸課題への対応に加え、ネットに関する問題や危機管理、保護者や地域との円滑な連携など、チーム学校の視点から教師の新たな実践力の向上をめざす。特別活動は他の教科や領域とも密接に関係し、児童生徒の人間形成に大きな教育効果が期待できる教育領域であり、現代の児童生徒の実情に応じたより効果的で積極的な展開が期待されている。そこで本講義では、生徒指導の本質を理解した日常的な実践能力と問題行動等への対応能力の向上、特別活動及びキャリア教育の内容と方法を正しく理解した指導力の向上など、児童生徒の逞しい成長と自立を支える指導の基本能力の修得を図りたい。

教育相談と特別支援教育の実践と課題

学校には様々な支援の必要な子どもたちがいる。これらの子どもたちへの対応法として、カウンセリングの概要を学び、具体的な事例に基づき、事例の客観的把握、対応策の案の作成ができるように、学校における教育相談を実践的に研究する。また、インクルーシブ教育の理念を踏まえ、LD、ADHD 、自閉症スペクトラム障害などの発達障害について専門的知識を持つとともに、特別支援教育対象児の理解の方法、詳細な課題把握の方法、個別の指導計画の作成・指導の方法などを学ぶ。さらに、国や自治体の施策を踏まえ、通常学級に在籍する特別に支援が必要とされる児童・生徒に対する、特別支援教育コーディネーターや校内委員会の役割を含め校内支援体制の構築と運営、学外の関連機関との連携など、特別支援教育の推進充実を図るための実践的研究を行う。

学級経営の実践と課題

学級経営の目的や内容および方法などを理論的に整理し、学級経営上必要な実務について具体的な事例を通して理解する。また、学級経営に当たり学級経営案を作成してお互いに発表をして理解し合うとともに、「子ども理解」の方策についても実習する。さらに、健康安全指導や給食指導や清掃指導・教室環境整備、係活動のあり方などについても学びよりよい実践力を身につけられるようにする。子ども同士のトラブルや保護者との連携協力のあり方など、学校現場で発生することが多い問題などを取り上げ、具体的な対応方法などを演習などの活動を通して学ぶ。現職については学年主任等、指導的な立場からの学校全体の動きを見通しての計画的な学級経営の視点についても考察する。

学校経営の研究と実践

本授業の目的は、今日の教育改革の基本的な動向を踏まえて、教育行政や学校の役割を理解するとともに、多様な立場(指導主事、中堅教員、管理職等)の立場から学校組織の見直し・教職員の人材育成・危機管理対応に関する方策を考察し、学校組織マネジメント能力の向上を図ることである。この目的を達成するために、複数の教員によって、学校経営の研究と実践を図るため、事例を取り上げたり指導資料や構造図等を作成したりする事例研究・ワークショップ・シミュレーション・ロールプレイング等の授業形態を取り入れる。

学校の社会的役割と教員の服務

今日の社会的特質を踏まえ学校教育の役割を考え、これから求められる学校や教師の課題を明らかにする。特に現代社会の特質を「知識基盤社会」、「ネットワーク社会」、「高度情報化社会」、「テーマ・コミュニティ」、「共生と共創の社会」などと特徴づけて、そうした現代社会における学校教育の課題について、事例をもとに多面的に考察をし、教育的課題の改善策や学校の社会的役割について考究する。また「チーム学校」の視点が重要視されている背景や、多忙化を解消し子どもと向き合う時間の確保が声高に叫ばれている現状と課題を精緻に分析する。さらに、これらのキーワードを軸とした、事例研究、グループ討議など、多彩な授業形態を採用する。前記の社会的役割を担う教員の服務の在り方等について、法令や事例等に基づく理解を深めるとともに、諸計画の立案・実践や他の教員に対する適切な指導・助言など、各学校の中心的な立場・役割で活躍できる力量を獲得する。

教員の在り方と資質の向上

教職論の変遷を踏まえ、教員の在り方を多面的に考察する。専門職としての教師に求められる不易な能力と、教育改革の動向を踏まえた現在求められている能力を考察する。また、教員に求められる専門性と自らの課題を教員評価の観点から明らかにするとともに、自己の資質能力の向上のためのキャリアプランの作成を図る。具体的な事例を扱い、関係法令、答申、教育委員会の育成指標、求められる児童生徒への対応などを考慮しながら、自らの考えを明確化する。その学習を通じてコミュニケーションスキルの向上を図れるようる、討議、発表、ロールプレイ等多様な授業形態を採りながら、受講生の授業への積極的参加を求める。

発展科目群

教育経営コース

公教育と学校組織

15の項目から「公教育と学校組織」について考えていく。各項目について、具体例の対応から、なぜ重要なのか、事前の確認事項は何か、進め方のコツは何か、他の仕事とのつながりや関連は何か、法的な根拠・留意点は何か等を明らかにする。

学校評価と学校づくり

近年の教育政策による学校環境の変化を分析し、現在及び将来の学校経営を実践するために必要な理論的能力と実践力の獲得を目指して事例研究を行う。まず必要な教育行財政政策の基本的方向性を理解する。そのために為された法令改革等についての知識を整理する。次いで組織の特性を把握し、その強みと弱みを理解する。その上で改善に結びつけるための評価手法を獲得する。最後に自分が組織に寄与するための能力開発計画を作成する。

学校経営と教育行財政

社会組織体としての学校の経営と教育行政が教員の職務とどのように関係しているかを知るとともに、どのような課題を抱えているのかを理解する。また、小・中学校の学校経営と教育行政がどのように関わるかを近年の教育改革や教育問題の事例を多様な資料と現職(実習)経験を活用しながら理解を深める。国や地方の教育政策と学校経営との関係についても、学校選択制、教員評価、地域連携等の具体例を取り上げ、講義、討議、発表といった方法を活用して受講者参加型の授業を行う。

教育法規の理論と実践

教育と法の関係について理解する。学校教育活動が国の法令でどのような内容で規定され、地方公共団体がどのような条例や規則等に基づいているのか、そして学校で裁量できる範囲がどのようなものかを、具体的な事例に則して検討する。

教育課程編成の研究と実践

教育課程編成の意味、学習指導要領の歴史的変遷と特徴を概観し、実際の学校のカリキュラム編成の事例を考察するとともに、カリキュラム・マネジメントの考え方を理解し、実務能力を身に付け、学校における教育課程編成の理論と実践を学習する。具体的には「教育課程の編成の意味」「学習指導要領の歴史的変遷」「学校でのカリキュラム編成」「個に応じた教育課程」「カリキュラム・マネジメントの研究と実務」「教育課程の評価と改善」について授業を行う。理論と実践の往還を図るために、事例研究・シュミレーション・グループ討議等の授業形態を取り入れた受講者の授業への積極的参加を求める。

教育実践・教材開発コース

教材開発と授業実践

教材開発と授業実践について、次の3つのテーマから考える。①授業システムを取り入れた教材開発。②IT機器を活用した教材開発。③現代的な教育課題に対応した教材開発。①では、優れた教材の条件を吟味し、その指導方法を分析し、整理した上で、システム化していけば、日々の授業が安定し、教育効果が上がることを提示する。②では、IT機器と連携した教材開発について、実例を通して学ぶ。タッチパネル、インターネットなど、今後活用場面がさらに増えてくると思われる技術について、基本的な使用方法と活用技能を身につける。③では、全体のまとめとして、現代的な教育課題といわれる新しい教育内容や方法を検討し、教材開発と授業システムの両面からその指導法を学ぶ。

コンピュータと教育

ICTを効果的に活用した授業が求められている。しかし、多種多様なハードウェアやソフトウェアが開発されていくなか、必ずしも子ども達に本当に学力をつけるための内容や手法の研究が進んでいるとはいえない。本講義では、そうした現状をふまえ、各種のソフトウェアをどのように活用していけばよいかを論議し、演習をとおして検討していく。効果的な学習指導法の具体的なあり方についても論じていく。

教科学習の研究と実践

教科学習のデザインと実践においては、授業で用いる教材や学習者の実態に関する研究が必要である。その上で、実践の結果を正確に捉え、改善に向けた分析と研究が欠かせない。本授業では、教科学習のデザインと実践のリフレクション、改善のために必要な知識・技能を学ぶことを目標とする。学習デザインの基本として必要な学習指導要領や教科学習の内容、教材については講義・グループ討議を中心とし、授業デザインの立案や実践の評価に関しては、実際の指導案や授業ビデオなどの検討・改善を中心としたワークショップの実施などを通じて改善案を策定するなどの共同的な学習を行う。主体的・対話的で深い学びの成立をめざすために教材に即して必要な要件、言語活動を成立させる要件を考え、学習をデザインし、改善していくことができる能力を身につける。

児童英語の実践

外国語教育の目標、考え方を理解し、小学校において実際に英語を教えることを想定した模擬授業を体験することで、実際に外国語活動、外国語科の指導ができるようになる。外国語教育の目標を踏まえ、外国語活動、外国語科の授業づくりを考えるにあたり、スモールトーク、絵本の読み聞かせ、文字指導などの色々な指導法を通じた授業力を養う。また、児童のコミュニケーション能力、言葉の力を育むために、教材の研究、指導案の立て方を学び、模擬授業を行い、改善点などを話し合いながら実際に外国語活動、外国語科の授業ができるようにする。

国語科学習デザイン研究

本授業の目的は、国語科の学習内容を学習指導要領および最新の研究的背景から捉え直し、カリキュラムマネジメントの観点を踏まえて、校種に応じた学校における国語科の学習デザインを行うとともに、様々な学習デザインにある課題を分析し、改善の方策を探究することにある。この目的を達成するために、教科における指導計画作成の理論と実務との往還を図り、事例研究・グループ協議等の授業形態を取り入れた、協同的な実践形式での授業を行う。

算数・数学科学習デザイン研究

本授業の目的は、算数・数学科の学習内容を学習指導要領および最新の研究的背景から捉え直し、カリキュラムマネジメントの観点を踏まえて、校種に応じた学校における国語科の学習デザインを行うとともに、様々な学習デザインにある課題を分析し、改善の方策を探究することにある。この目的を達成するために、教科における指導計画作成の理論と実務との往還を図り、事例研究・グループ協議等の授業形態を取り入れた、協同的な実践形式での授業を行う。

理科学習デザイン研究

本授業の目的は、理科の学習内容を学習指導要領および最新の研究的背景から捉え直し、カリキュラムマネジメントの観点を踏まえて、学校(勤務校等)における理科の学習デザインを行うとともに、様々な学習デザインにある課題を分析し、改善の方策を探究することにある。この目的を達成するために、教科における指導計画作成の理論と実務との往還を図り、事例研究・グループ協議等の授業形態を取り入れた、協同的な実践形式での授業を行う。

社会科学習デザイン研究

本授業の目的は、社会科の学習内容を学習指導要領および最新の研究的背景から捉え直し、カリキュラムマネジメントの観点を踏まえて、学校(勤務校等)における社会科の学習デザインを行うとともに、様々な学習デザインにある課題を分析し、改善の方策を探究することにある。この目的を達成するために、教科における指導計画作成の理論と実務との往還を図り、事例研究・グループ協議等の授業形態を取り入れた、協同的な実践形式での授業を行う。

外国語活動・英語科学習デザイン研究

本授業の目的は、外国語活動・英語科の学習内容を学習指導要領および最新の研究的背景から捉え直し、カリキュラムマネジメントの観点を踏まえて、学校(勤務校等)における外国語活動・英語科の学習デザインを行うとともに、様々な学習デザインにある課題を分析し、改善の方策を探究することにある。この目的を達成するために、教科における指導計画作成の理論と実務との往還を図り、事例研究・グループ協議等の授業形態を取り入れた、協同的な実践形式での授業を行う。

授業技術の研究と実践

教師に必要な教育技術の基本的な要件について検討する。一斉授業での主体的で対話的な学びや個別最適化の学びに効果的な授業技術について考察する。具体的な授業場面や教材・教具等の活用場面を通して、どのような技術が必要になるかを検討し、実際に活用する技能を高める。

指導が難しい子供への支援コース

特別支援教育の理論と教育

特別支援学校等に在籍する障害児の認知発達と運動発達、社会性の特性を理解し、その教育的支援のための実践的方法とシステムについて理解すると同時に、現在の学校教育の大きな課題の一つである特別支援教育について、つまり通常学級に在籍する発達障害やLD児、ADHD児等を含めた指導の難しい児童生徒の理解ならびに指導の方法、さらにはそうした児童生徒の在籍する学級、学校の運営について、考え研究していきたい。

教育相談の理論と実践

心理的不適応を示す児童および保護者に対して、適切に教育相談をすることができるようになることを目的とする。具体的には、①児童をより深く理解するために、教育相談の内容・方法、進め方などに関する諸理論について述べることができるようになる、②児童の発達状態や諸問題について現在の状態を把握し、今後、どのように教育相談をしていくのか判断するための材料として必要となってくるアセスメントの方法(知能検査や発達診断検査・人格検査などの心理諸検査法や行動観察法など)を教育現場で用いることができるようにする、③学内・学外組織の連携の仕方、相談体制の確立の方法を考えることができるようにする。

発達障害の理論と課題

本講義では広義の発達障害に対する専門的知識を深めるとともに、それぞれの障害特性に応じた教育・指導法を立案・実践できるようになることを目指す。具体的には、健常児の言語発達(音韻、語彙、意味、統語、語用論など)を踏まえた上で、コミュニケーション障害(表出性言語障害、受容ー表出混合性言語障害、音韻障害など)、学習障害(ディスレクシア、ディスカルキュアなど)、運動能力障害(発達性協調運動障害)、自閉症スペクトラム、注意欠陥・多動性障害(混合、不注意優性、多動性ー衝動性優位など)等に焦点をあて、支援教育対象児の理解の方法、アセスメント法とアセスメント理論に基づいた指導方法などを学ぶ。

発達障害の現状と課題

通級による指導や特別支援学級で指導を受ける児童生徒の割合が増加する中、共生社会に向けて、通常の学級で過ごしにくさを感じている発達障害のある児童生徒への支援の充実が求められる。本授業では、通常の学級に在籍する発達障害のある児童生徒に対する実態把握、授業・支援、関係者との連携の観点から現状と課題を把握し、課題を解決するための実態把握のあり方や適切な指導方法の選択、実践、連携を検討し、特別支援教育のさらなる充実に向けた方策を探る。

特別支援教育と医療

特別支援教育は対象となる児童生徒一人ひとりの障害の状態等を正しく把握するところから始まる。本授業では、LDや自閉スペクトラムなどの発達障害やその周辺領域である様々な障害やてんかんなど小児精神科、小児神経科領域の基礎的な知識を医学的な視点から学ぶ。さらには、PT、OT、ST、臨床心理士、SSWなどの専門領域について理解し、連携のためのケーススタディについて演習を通して理解する

学校カウンセリングの技法

現在、学校では「いじめ」、不登校、ネットゲーム依存、リストカット、摂食障害、自殺(未遂を含む)など子どもの生命・健康に関わる多様な問題に直面している。このように学校教育現場で心理的に不適応を起こし、悩み苦しんでいる子どもの諸問題について、共に考え、傾聴できるようになることを目的としている。具体的には、第一に、カウンセリングマインドを踏まえた「関わり技法」を習得できるようにする。第二に、カウンセリングを進める上で必要となってくる面接の段階的構成や一般化のあり方について理解する。第三に、校内組織(生徒指導部、教育相談部など)の役割・あり方の検討、および他の機関と連携するかどうか判断するための材料として必要となってくる診断マニュアル(DSM-5やICD-11など)の利用法や連携の在り方を修得する。

心の教育実践コース

道徳授業の研究と実践

「道徳の時間」から「道徳科」への移行がなされ、道徳教育の強化が求められる現在において、改めて学校教育における道徳教育、とりわけ「道徳科」の役割について考察しあいたい。人格の完成を支援する学校教育における「道徳科」の位置づけを理解し、道徳性の発達を促進し、道徳的実践力を育てる道徳授業のあり方について具体的に検討する。「学力」の重要な一つとして「道徳力」を捉え、その道徳力を有効に形成する道徳授業を実践的に構築しあいたい。

心の教育と道徳教育

義務教育の推進過程に強調されてきた「生きる力」の育成、「心の教育」の充実は、なぜもとめられてきたのか、どのような内容を示すのか。道徳の教科化の背景なども踏まえ、これらの課題を具体的に考察し合い、「道徳教育」との関わりを明らかにしていく。その上で、改めて今日的な社会の中の児童生徒の発達状況と道徳に関する政策的な動向を踏まえ、学校の教育活動における道徳教育の必要性を検討する。さらに、現状での道徳教育のありようを点検し、学校の教育活動全体を通して行われる道徳教育と「道徳科」との有効な連関を図るための全体計画の在り方を検討する。これに関連して、「道徳教育の充実」を実現することのできる家庭や地域社会との連携の在り方をも模索する。

心の教育実践研究

「確かな学力」、「健康・体力」とともに「生きる力」を構成する「豊かな人間性」は、人間として調和のとれた育成を目指し、子どもたちの発達の段階に応じた心に響く道徳教育を実践することにより、実現されるものである。このような視座から、「豊かな人間性」を育むことを意図し、学校の教育活動全体を通して行う道徳教育について、①心理学、②教育学の2つの視点からアプローチを試みた上で、体験を通して学ぶ心の教育の意義と手法について、実践を通して学修する。

脳科学と教育

教育は高度に心理的な技能である。しかし一方で脳科学の視点からの解釈では、脳における高度の学習過程を誘導する、高度のインタラクションとも言える。学習に関わる心理的な世界観と脳の世界観のあいだにはまだ溝があるが、最近の脳関連の諸科学はそれを埋める大きな進歩を遂げている。その成果は、多様な学習の場面での特性と、その障害により発生する現象の深い理解につながりつつある。本講義は、教育と学習にかかわる最新の脳科学の知見とその限界を紹介し、実際の教育現場における方法につなぐ努力について議論する。

生徒指導の理論と実践

児童生徒のいじめ、暴力行為等の問題行動、不登校、保護者対応、危機管理など、学校教育にかかわる生徒指導上の課題は山積している。さらには児童生徒間の人間関係の希薄化も大きな課題である。学校には、これらの課題について適切に対応、対処することが、求められている。生徒指導の基本的な理論(目的、意義、役割、原理、児童生徒理解、相談、教育課程との関連など)を学ぶとともに、事例を通して実践的な解決方法を探る。さらには「チーム学校」の実現に向けて、組織的な指導のあり方や他機関との協働に向けた学びを強化する。学修の形態としては、講義、事例研究討議、ロールプレイなどを行い、SM及び現職学生の生徒指導能力の向上を図る。

ファシリテーターとしての教師の技術と実践 A

子どもの主体的・対話的・深い学びを促進するためには、教師が一方的に主導性を発揮する指導ではなく、子どもの考えや判断を待ち、子どもの発言や試行錯誤を促進できる環境づくりが必要である。そのためには子どもを支えながら導く支導(ファシリテーション)が求められ、本授業では基本的なファシリテーション能力の向上を目指す。グループ・アプローチであるTamagawa adventure program(TAP)の実践を通し、体験学習サイクルに則りながら学びを深めたい。

ファシリテーターとしての教師の技術と実践 B

本授業は、全ての子どもが対象となる開発的生徒指導で実践されているグループ・アプローチをアドベンチャーの理論に基づいたTeachers as professionals(TAP)を通して体験的に学ぶ。ティーチング・ファシリテーティング・コーチングの違いを理解し、グループ活動におけるファシリテーターの役割、集団の発達、目標設定と振り返りの方法、ルールやリレーションづくり、体験の量と質等を学び、学級マネジメントやプログラムデザインができることを目指す。

総合科目群

全人教育の理論と実践

人間性を一面的な知識・技能に偏らせるのではなく、全面的・調和的に発展させることを目的とする全人教育の理念は、玉川学園創設以来の教育理念である。それゆえ、玉川学園には、この理念を追求するための豊富な教育資源があり、これを生かした確かな実践が営まれている。この授業では、創設者小原国芳の提唱した全人教育論を通して、全人教育という理念についての理解を深めるとともに、玉川学園の優れた教育資源と先駆的な実践に触れることにより、これからの時代を担う教員としての視野を広げ、教育の本質へと立ち還ることを目的とする。

学校課題研究

これまでの経験を通して意識している教育課題や「基本科目」や「発展科目」の学習から発見された新たな教育課題について、課題解決を計画的に進める。長期的な「学校における実習」も、課題追究の機会とする。
大学院担当教員の個別的指導も継続的に受け、理論的・実証的に課題解決を図り、その成果を報告書として修了年次に作成する。

学校における実習

専門実習A(10単位)、専門実習B(2単位)、専門実習C(8単位)
教職大学院における学習と有機的に関連づけながら、教職に求められる5領域(①教育課程の編成および実施②教科などの実践的な指導方法③生徒指導および教育相談④学級経営および学校経営⑤学校教育と教員のあり方)の内容について、公立小学校で10週間、公立中学校で1週間の長期実習を行う。
公立小学校で10週間の連続実習と週1度(3時間)のリフレクションを15回と公立中学校で1週間の長期実習を行う。
本実習を通して、教員としての基本的かつ総合的な指導力を修得するとともに、今日の学校教育における課題の発見や解決能力も高めるものとする。そのため、実習に当たっては事前指導や実習研究、事後指導を友好的に位置づけ展開する。
なお、修了年次における学校課題研究の課題などの発見や基礎研究も意識した実習を行う。

学校実践研究

既習の教職専門実習、併行して履修する学校課題研究と関連づけながら、学校教育における課題を捉え、その解決に向けた教育活動を、連携協力校において展開する。

学校実践インターンシップ

学校実践インターンシップは、玉川学園低学年児童に対して1年間、特定の曜日・時間に訪問し、教員とのティームティーチングによる学習指導補助や放課後の補修学習等を行うことを目的としている。インターンシップとして参加することを通して、授業や生徒指導の方法、特に支援が必要な児童に対する対応法等をティームティーチングとして学ぶとともに、インターンシップの成果を振り返って学習・生徒指導の効果的なあり方を検討する。

教育実践研究(基礎)(応用)

既習の教職専門実習、併行して履修する学校課題研究と関連づけながら、学校教育における課題を捉え、その解決に向けた教育活動を、連携協力校において展開する。