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玉川大学脳科学研究所講演会、脳科学研究科「脳科学先端セミナー」「心の科学先端セミナー」を2024年10月23日(水)にハイブリッドで開催

2024.10.17

玉川大学脳科学研究所講演会、脳科学研究科「脳科学先端セミナー」「心の科学先端セミナー」の開催について

日時 2024年10月23日(水)16時00分~17時30分
開催方法 ハイブリッド開催(Zoom meeting)
講演者 佐々木亮先生(自然科学研究機構生理学研究所)
講演タイトル VR多次元計測による巧みな『感覚-意思-運動』制御の脳回路動態の解明
講演内容

柔軟な意思決定、巧みな感覚運動変換制御を支える様々な認知機能の脳神経回路ダイナミクスを解明すべく、主にマカクザルをモデル動物とするシステム神経科学研究に従事してきた成果の一部を紹介する。具体的には、発表者の一連の研究を概説しつつ、主に、意思決定における報酬とリスクの獲得戦略のバランス調節機構について紹介する。発表者は近年、マカクサルの腹側被蓋野(VTA)から前頭前野への直接経路、とくに6野の腹外側下端(6V)に注目し、光遺伝学的手法を用いて、VTA-6V直接経路の一過性活性化により、ハイリスクハイリターン(HH)嗜好性が高まる部位とローリスクローリターン(LL)嗜好性が高まる部位を発見し、サルのリスク選択を制御することに成功している。さらに、サルのVTA-6V経路の選択的一過性活性化が実験日を超えて蓄積する長期効果も確認している。前頭皮質に埋設した皮質脳波(ECoG)の神経振動信号は、広い周波数帯においてリスク依存的な活動を示した。この各帯域信号からの計算論的デコーディング解析において、サルのリスク嗜好性をまさに表現し、報酬とリスクの獲得に関するVTA-6V直接経路の因果的・機能的な役割を明示した(Sasaki et al., Science 2024)。

発表の後半には、今後の研究の主眼として、動物一個体が複数の戦略を自在に駆使できる個体内の認知的な多様性の生物学的基盤に注目している点に言及する。これまでの認知行動研究は、極めて単純化された実験課題にとどまり、自然界における動物本来の能力を発揮させるには限界がある。一方、自由行動下での無秩序な実験系では、実験的に制御できない要因が増えすぎてしまう。これらの問題を一挙に解決できるのが、近年、発表者が開発・遂行中であるヴァーチャルリアリティ (VR)を導入した実験系である。この実験系を導入することにより、動物の日常的かつ自然に近い環境を提供しながらも、ほとんどの要因を制御可能となる。なおかつ、多様なマルチセンシングシステムを駆動させつつ、大規模な神経活動記録や光遺伝学的手法を用いた神経路特異的な操作も精度よく安定して行える利点がある。本発表では、VRを駆使した採餌課題や捕獲課題における行動戦略を示す脳回路の予備データの一部を紹介する。

本発表を通じて、発表者自身の思い描く今後の霊長類ニューロサイエンス研究の展望、そして学際的融合研究としての発展・方向性について議論したい。

参加登録

Zoom meetingでの開催のため、下記サイトにて登録をお願いします。登録後、Zoom meetingのURL等をお送りします(登録時の個人情報は本講演会のご案内以外には使用しません)。

(登録締切日:2024年10月22日(火)17時)

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参加費 無料
主催 玉川大学脳科学研究所
玉川大学脳科学研究科
お問い合わせ 玉川大学研究推進事業部研究推進課
eメール:research@tamagawa.ac.jp
Tel:042-739-8666

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