特許取得の報告
「暗号光送信装置及び受信装置、並びに暗号通信システム」
量子情報科学研究所では、本学が独自に提唱している新量子暗号(Y-00 インテリジェント量子暗号)を発明し、超高速・低コスト化をめざし、絶対に盗聴されない解読不可能な暗号の実現に向けて、世界最速の量子暗号装置の研究・開発を進めています。
今日、100Gbit/sec等の超高速光通信を実行するために用いられる波長多重方式に対応するには、従来の方式を用いると、各波長毎にYuen暗号装置を使わなくてはならず、それには経費がかかります。本特許は、各波長の情報をまとめて1つのYuen暗号装置によって一括して暗号化する方法により、低コストで秘匿性の極めて高い波長多重Yuen暗号を発明しました。本発明に対抗できる暗号は世界には存在せず、ニーズが確定すれば、唯一対応可能な技術で市場性も高いと予測されます。
特許登録日 | 平成27年12月4日 |
特許番号 | 特許第5845514号 |
発明の名称 | 暗号光送信装置及び受信装置、並びに暗号通信システム |
発明者 | 玉川大学 量子情報科学研究所 教授 広田 修 玉川大学 量子情報科学研究所 教授 二見 史生 玉川大学 工学部 教授 相馬 正宜 |
特許を取得した技術の紹介
【課題】
超高速光通信のための暗号送受信装置およびシステムを提供する。
【解決手段】
光送信装置40は、光強度変調方式によるYuen暗号光送信装置であって、初期鍵から擬似乱数列を発生する擬似乱数発生部13と、多数の基底から構成される基底群を保持し、擬似乱数列にしたがって当該基底群から1つの基底を選択する基底選択制御部14と、選択された1つの基底に対応する光増幅器の利得を調整する利得調整部42と、選択された1つの基底が偶数・奇数のいずれかを判定する判定情報を生成する偶数・奇数判定部41と、送信データを受け付け、判定情報に基づいて送信データの極性を変化させる極性反転部43と、極性を変化させた送信データに基づいて2値強度変調した光信号を出力する半導体レーザ2値変調部44と、2値強度変調した光信号を利得調整部が調整した利得にしたがって増幅する光増幅器45と、を備える。
【説明図】

玉川大学学術研究所知的財産本部では、先生方の研究成果の特許取得を推進するとともに、企業との共同研究開発に結びつくきっかけ作りになることを目指してまいります。
今後ともご協力よろしくお願いいたします。
