農学部 小野正人教授、学術研究所 西村正和 特別研究員が「日本昆虫学会」の論文賞を受賞

2022.10.12

玉川大学農学部教授であり学術研究所所長でもある小野正人教授と学術研究所ミツバチ科学研究センター特別研究員の西村正和博士が、9月3日(土)〜5日(月)に開催された「日本昆虫学会第82回大会」において、「論文賞」を受賞しました。

西村博士と小野教授

日本昆虫学会(The Entomological Society of Japan)は、昆虫学の進歩・普及を図る目的で1917(大正6)年に「東京昆蟲学会」として創立。1935(昭和10)年に「日本昆蟲学会」と改称され現在に至る、日本を代表する昆虫学に関する学会です。1936(昭和11)年より年に1回大会を開催しており、82回目となる2022年度の全国大会は、長野県松本市の信州大学にて行われました。

3日間のプログラムでは、シンポジウムや口頭発表などさまざまなプログラムとともに、論文賞の授賞式も行われました。論文賞は日本昆虫学会が発行している『Entomological Science』と『昆蟲(ニューシリーズ)』に、当該年に掲載されたすべての論文が選考の対象になり、その中から毎年2本が選出されて表彰します。この賞は、同学会が制定している表彰制度の中では最も評価の高い賞の一つです。

今回は西村正和博士(論文発表当時は大学院農学研究科博士課程の研究生)が筆頭著者、小野教授が責任著者としてまとめた学術論文「日本産キアシナガバチ、Polistes rothneyi Cameron 1900(ハチ目:スズメバチ科)におけるドリフト・ワーカーによる代替繁殖の証拠」(日本昆虫学会発行『Entomological Science 第24巻』掲載)が選出されました。

2022年度論文賞賞状(日本昆虫学会)
研究対象となったキアシナガバチ(撮影:小野正人教授)

受賞にあたり小野教授は「玉川大学のキャンパス内で行われたハチの研究が、権威ある日本昆虫学会から高い評価を得られたのは、大変名誉なことだと感じています」と語ってくれました。当時、博士号の取得を目指していた西村博士も現在は学術研究所の特別研究員となり、週に2日は本学において研究活動を継続しています。受賞した論文は西村博士が、博士号申請の参考論文として取り組んだものです。「学会代議員によって他の多くの中からこの論文が選ばれたということは、本学の博士論文の質の高さが客観的に評価されたといえるかもしれません。これは非常に意義深いことだと思っています」と喜びの声を寄せました。

JR松本駅に掲げられた大会の横断幕
論文賞授与の様子
2024年開催「第27回国際昆虫学会議」キービジュアル(左)とロゴ

小野教授は日本昆虫学会を含む昆虫学関連の17学協会が加盟する日本昆虫科学連合の代表を務め、その中におかれた第27回国際昆虫学会議(ICE2024 KYOTO)組織委員会の委員長も担っています。この会議は4年に1回オリンピックの年に開催され、昆虫学全般にわたる最も包括的で権威ある国際会議として知られています。2024年8月25~30日に国立京都国際会館で開催されることが決定し、その広報活動として会議のロゴ(スローガンはNew Discoveries through Consilience: 知の統合による新発見)とホームページのキービジュアルも会場に掲示されました。国際昆虫学会議は、1980年にはアジア初として日本で開催されていますが、日本での開催はそれ以来で約半世紀ぶりとなります。小野教授は当時大学2年生で、今は故人となられた指導教員の岡田一次教授に勧められて会議に参加。「論文で名前しか知らなかった多くの著名な研究者が、とても親切に学術的なアドバイスをしてくれたことに感激し、世界の一流の研究者と直に接することの大切さを肌で感じた。」とのことです。それから44年経って、まさか自分がその会議の議長を担うことになるとは、夢にも思わなかったと当時を振り返っています。地球の人口が増え、SDGsの中で「食料」、「環境」、「健康」を考えた時、多様な昆虫の機能を活用した取り組みは注目されており、会議を通して日本における昆虫学のプレゼンスがさらに高められ、立体的な国際交流への発展に期待が高まります。