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K-16一貫教育研究センター 第18回日本子ども学会のポスターセッションで優秀発表賞を受賞。ワンキャンパスというメリットを活かすことで、大きな成果を上げることができました

2022.10.26

10月8日(土)・9日(日)に岐阜県で開催された「第18回 日本子ども学会学術集会」のポスターセッションにおいて、K-16一貫教育研究センターの油川さゆり助教らの研究チームによる発表が優秀発表賞を受賞しました。

日本子ども学会は総合的な学問領域としての「子ども学(チャイルド・サイエンス)」の進歩普及を図ることを目的としており、会員相互のネットワーキングや学術集会の開催に積極的に取り組んでいます。 年に1回の学術集会が、本年度は「withコロナ社会で生きる子どもたち その発達と未来を考える」をテーマに、岐阜県の東海学院大学で開催されました。

今回のポスターセッションで発表した研究テーマは「小学校低学年のプログラミング的思考を育む授業実践 ― 3年間の縦断研究から ― 」。幼稚園から大学までの教育活動の充実を求めて、総合的に研究と実践を進めているK-16一貫教育研究センターの油川さゆり助教が脳科学研究所の大森隆司名誉教教授、教育学部の高平小百合教授・鈴木美枝子教授・小原一仁教授、工学部の小酒井正和教授らと共に、2020年度から3年間をかけて取り組んできました。

⼩学校でも2020年度から必修となったプログラミング教育。この研究では年⻑児〜⼩学2年⽣を対象に、プログラミング的思考を育むとされる「Cubetto(キュベット)」と呼ばれる知育玩具を用いて授業を⾏い、その有効性を検証しています。授業では、児童⾃⾝がコードを作成し、ロボットを指⽰通りのルートでゴールへと向かわせることで、プログラミング的思考を⾝に付けていきます。
結果として、性差や幼稚園での経験の有無はプログラミング的思考を測る認知課題得点に統計的な影響がないことや、プログラミング的思考に見られる個人差を減少させる授業の工夫が必要なこと、活動中に仲間の協力を得ることが動機付けにつながる傾向にもあり、活動中のルール作りやグループ分けが重要であることが示されました。

幼稚部での活動の様子

油川助教らの研究発表は、総数48のポスターの中から優秀発表賞に選ばれました。受賞の理由について「3年間にわたり緻密に研究を積み重ねたことや、これまであまり研究されていない幼児や低学年を対象としたプログラミング教育の実践を行ってきたことなどが評価されたのではないか」と語る油川助教。共同研究者として参加したK-16一貫教育研究センターの主任でもある鈴木教授も、「今回の受賞は、油川先生のたゆまぬ努力があったからこそのものだと思います。さらに本研究は大森先生、高平先生をはじめ、学部を超えた各ご専門の先生方の英知を結集しながら行ってきた共同研究であり、幼稚部・小学部の先生方や子どもたちの協力の下で実施することができました。学園全体(K-16)で協力し合うことでなし得た成果でもあり、今後の展開が楽しみです」と、幼稚部から大学院、さらに研究所といった教育・研究機関がワンキャンパスにある玉川学園だからこそ実現できた研究だと喜びの声を寄せました。この成果を受けて油川助教も「日本では、情報機器の操作がまだ困難な幼児や低学年児童を対象としたプログラミング教育が、ほとんど行われていないという状況があります。そこでプログラミング的思考に影響を与える背景要因について、子どもたちの日常生活、学力、パーソナリティ等の観点から検証していきたいと思っています」と語っており、今後の研究にも期待が高まります。

活動では試行錯誤を繰り返しながらも、ゴールに到達した際には飛び上がって喜んでいた子どもたち。楽しみながらプログラミングの概念を自然と身に付けることで、その後のプログラミング学習へとスムーズにシフトしていけると考えられます。これからも玉川学園では、この環境を活用してプログラミング教育・プログラミング的思考の発達について、学際的、縦断的に研究を進めていきます。

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