飛行機は前例がなくても、飛んだじゃないか
小原國芳が伝えたい言葉
1931(昭和6)年に本学礼拝堂に設置されたパイプオルガン。
その購入の経緯を小原國芳が語っています。
欧米旅行で荘厳なパイプオルガンの響きを聞きつづけた私は、玉川学園の丘の上の礼拝堂に、なんとしてもパイプオルガンを置きたい、と思いました。思い込んだら実行の私。米国へ回った時、世界一のキンボール社へ談判に行きました。
國芳はキンボール社でのパイプオルガンの購入に臨み、「なんとか10年年賦で売らないか」と交渉するが、「そんな前例はない」とキンボール社側は大笑い。
「飛行機は前例がなくても、飛んだじゃないか。アメリカでも前例前例というのか」と、さらに國芳は熱心に談判を続ける。すると、「わかった。せめて3分の1は前金で払ってくれ。あとは3年の分割払いでよろしい」と、購入が決まりました。
その後、1932(昭和6)年には、横浜港にパイプオルガンは荷揚げされ、玉川学園の礼拝堂に設置されました。
小原國芳著『教育一路』

