直感的な分配の個人差を決める脳部位を特定 ~不公平を嫌う扁桃体の脳活動から予測~ Nature Neuroscience誌に掲載

2009.12.24

誰にも知られず、自分と相手の報酬の取り分を決められるとしたら、あなたはどう分けるだろう? 公平に分けるか、自分の分を多くするか、直感的な選択には個人差がある。脳科学研究所の春野雅彦グローバルCOE研究員は、脳の扁桃体という部分に、「不公平を嫌う」脳活動があることを見つけた。この活動をみれば、その人がどのくらい公平な分配を好むか、予測できることも示した。直感的な社会行動の背後にある神経メカニズムを世界で初めて示した成果である。

本研究では、被験者(64名)に不特定の相手とのお金の分け方を、(1)自分と相手の報酬の合計を大きくし差の絶対値を小さくする(社会的: 自分100円 相手100円)、(2)自分の報酬のみを大きくする(個人的: 自分110円 相手60円)、(3)差を大きくする(競合的: 自分100円 相手20円)から選択してもらった。一貫した傾向を示した39名の被験者(社会的25名、個人的14名)に、脳活動を調べるfMRI実験に参加してもらった。

その結果、社会的な被験者では、従来顔の表情処理や恐怖条件付けに関与するとされる脳部位である扁桃体が、報酬の差の絶対値が大きい時に活動した。さらに、この扁桃体の活動の大きさから、各被験者がどの程度公平な分配を好むか予測できた。