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12年生歌川さんと青山さんの2名が「令和3年度SSH生徒研究発表会」のポスターセッションに出場し、奨励賞を受賞!

2021.09.08

8月4日・5日・20日の日程で行われた令和3年度SSH(スーパーサイエンスハイスクール)生徒研究発表会に、サイエンスクラブに所属している12年生歌川喜矢さんと青山士蓮さんの2名がポスターセッションに出場し、「物理と工学」部門で奨励賞を受賞しました。「物理と工学」の部門では50校が発表し、玉川学園12年生の2人の発表はその中で2位という好成績での快挙です。

SSH生徒発表会は、毎年全国のSSH指定校の代表が一堂に集い、物理と工学、化学、数学と情報、生物(植物)、生物(動物)、地学の6分野に分かれてポスターセッションを行い、自身の研究成果を発表する場です。今年度は過去のSSH指定校も含め、224校の生徒が参加する大規模な大会となりました。
本学園から出場した歌川さんと青山さんは、「気柱共鳴の位相変化を利用した指向性楽器の研究」というテーマで発表しました。内容は気柱共鳴を利用した新しい楽器の可能性を示唆したもので、音叉を使った実機を制作するまでの過程を紹介しました。

ポスター

研究のきっかけは9年生の頃までさかのぼります。歌川さんは吹奏楽部にも所属しており、打楽器を担当しています。鉄琴や木琴は気柱共鳴という管の中にある空気が振動する方法で音量を大きくしていますが、他の同じ原理の管楽器に比べて音が小さいことに疑問を持ちました。そこで、鉄琴や木琴のような打楽器で大きな音が出る「新しい楽器の研究」をしたいという思いがあり、音の基礎研究からスタートしました。
まずは目に見えない音を測定するため、音波の確かな測定手段が必要でした。先行研究をもとに試行錯誤を繰り返し、マイクの出力が音波の音圧変化と1/4周期ずれていることが判明。これで音の測定器を手にすることが出来ました。
さらに、気柱共鳴へ研究を進めた歌川さんは他校の研究で気柱共鳴は音を大きくするだけでなく小さくすることもあるという発表を受け、干渉が起きているのではないかと仮説を立て研究しました。その中で気柱共鳴では仮説通り振動の逆転が起き干渉する一方で音量が5倍ほど大きくなることが分かりました.なぜ5倍も大きくなるのかその原因を調べる実験に取り組みました。その中で気柱の周辺全体のその原因を調べる実験に挑みました。コロナ禍のため学校で実験ができない期間でしたが、自宅の1室で装置を組み、360度くまなく計測しました。その結果、気柱共鳴は音源からの音が大きくなるのではなく、気柱の周辺全体の音が大きくなることが判明しましたが、5倍の原因追究には至りませんでした。しかしながら、この実験により、気柱と音源の関係性がUHFなどのテレビ受信に使われていた八木宇田アンテナのようにはたらく可能性を示唆する結果を得ることができました。

ここから、歌川さんの実験にたびたび協力していた青山さんが理論的にそれらを追及する形で研究に参加し、2人の共同研究が始まります。先行研究の音波の重ね合わせでは、音の変化について2倍が限度であったことなどがわかり、実験経験から気柱全体を音波ではなく一つのゴムのような実態と考えて見たら、振動変化も音量変化を表せるモデルを作ることに成功することができました。
この理論研究を元に、気柱の長さによって振動のズレを調整した宇田八木アンテナを作り音波を一方向に飛ばす実験をして成功し、これをもとに12音階の音叉を購入して、12音階の一方向に音波を飛ばす楽器を制作することができました。
新しくできた楽器のプロトタイプですが、まだまだ改良の余地があり、さらなる検証を進めていくようです。これからも歌川さんと青山さんの研究にご注目ください。

SSHでは、生徒たちの疑問からスタートした研究課題に取り組んでいます。特設サイトでその内容をご紹介しています。

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