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12年生が東京都主催の起業コンテストに唯一の高校生として選出。「Tokyo innovation賞」受賞に輝く

12年生の坂田莉心(りこ)さんが、昨年11月26日(土)に行われた「TOKYO STARTUP GATEWAY(以下、TSG) 2022」決勝大会に、ファイナリストとして出場。見事「Tokyo Innovation賞」を受賞しました。

2023.01.20

TSGは、「東京」から世界を変える若き起業家を輩出することを目的とした東京都主催のコンテストです。2014年度に第1回大会が行われ、今回は第9回となります。これまでも「こんな社会を作りたい」というビジョンが数多く提案され、実際に起業した受賞者、ファイナリストも少なくありません。応募資格は「18歳から39歳までの、起業を目指すアイデア・プラン段階の個人」ですが、応募のほとんどが大学生や社会人です。今回も1,114件の応募があり、ファイナリストとして選ばれた10名の中で高校生は坂田さん一人でした。過去8大会も高校生のファイナリストは数名で、非常に狭き門だったことが分かります。

坂田さんは5月にこのコンテストにエントリー。それから数カ月間、TSGの参加メンバーや講師の方とのセミナーに参加し、研鑽に努めてきました。
今回のコンテストで坂田さんが行ったプレゼンテーションは、「障害を抱えた子どもがありのままの自分を好きでいられるように」。自身が行っている「my doll」という活動についてです。海外には「ダイバーシティトイズ」と呼ばれる、さまざまな肌の色の人形や、車いすに乗っている人形など、多様性に配慮した人形が存在します。こうした人形が日本に存在しないことに疑問を感じた坂田さんは、「ダイバーシティトイズ」が日本で普及すれば、障害者に対する差別や偏見が減るのではないかと思い活動を開始しました。

制作した人形の例

坂田さんの活動である「my doll」では、その名の通り、発注者と同じ容姿、同じ特徴をもった人形を作り、無償で提供しています。たとえば右目に特徴のある子どもの人形制作では、右目部分を白いフェルトを使って再現。こうした活動を通して、世の中に障害と障害のある方への理解が深まると同時に、障害を抱えた子どもがありのままの自分を好きになるきっかけを作れるのではないかと考えています。SNSでの受注を通じて、これまでに15体の人形を制作しました。子どもたちは自分の分身のように、人形を大切にしてくれているそうです。

決勝大会の様子。5分間のプレゼンに臨む

この活動を通して坂田さんが目指すのは、「子どもたちの多様性に配慮した人形が広まり、子どもがありのままの自分を好きになり、多くの笑顔が溢れる生き生きとした社会」。今後はさまざまなアプリも活用し、活動の知名度を上げていくことを目指しています。また、金銭面でも継続していけるようNPOやクラウドファンディングを立ち上げるとともに、人形制作に必要な生地の購入費を削減するために企業から余った生地を提供してもらう方策も考えていきたいそうです。

TSGでは最優秀賞(1名)、優秀賞(2名)、それに続いてメンバーシップ賞(1名)と「Tokyo innovation賞」(1名)が選ばれますが、ファイナリスト10名が臨んだ決勝大会の結果、坂田さんは東京都の課題解決に繋がる起業家を応援する特別賞の「Tokyo Innovation賞」を受賞することができました。

坂田さんが獲得した今回の素晴らしい成果のきっかけは、玉川学園での自由研究にありました。研究のカテゴリーは人文科学、トピックは社会学〈教育〉です。調査を進めるうちに、海外でも「世界でたった一つの人形」を作る活動をしている人の存在を知り、自分も日本でその活動に取り組んでみたいと考えました。自由研究の論文タイトルは「差別や偏見を無くすダイバーシティトイズは社会に好影響を与えるのか 社会活動『my doll』を通した実証」です。大きな夢の実現に向け、一歩近づけた坂田さん。これからも坂田さんの活動に注目してください。

坂田さんのコメント

私は、障害を抱えた子供たちにありのままの自分を好きになってほしいと思い、その子と同じ容姿、特徴を持った人形を手作りしプレゼントしています。その活動が認められて、賞を受賞できたことはとても嬉しかったです。
活動を始めた頃は、同じ容姿の人形をもらって嬉しいの?という素朴な疑問や否定的な意見も多くありました。TOKYO STARTUP GATEWAYで賞を受賞してからは、実際に人形をお願いしたいという声やプレゼンを聞いて感動したという声、応援しているという声や、手伝いたいという声、たくさんの声をいただくようになりました。活動が認めてもらえたようで、本当に嬉しかったです。
今後も「手作り」にこだわり、ゆっくりですが、ひとつずつ心をこめて丁寧に人形を作り、子どもの笑顔を増やしていきたいと思っています。

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