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サンゴ研究部での活動の集大成。12年生の乙部結生くんがGLOBAL LINK Queensland 2023でブロンズアワードを受賞しました。

2023.11.17

今年の8月にオーストラリア東部のクイーンズランド州モートン島で行われた「GLOBAL LINK Queensland (GLQ)2023」において、Secondary Program Division 12年生でサンゴ研究部に所属する乙部結生くんがブロンズアワードを受賞しました。
GLOBAL LINKはアジア・オセアニア地域の環境問題に関心を持つ中学生・高校生を対象としたコンテストイベント。集まったメンバーが英語でのプレゼンテーションを行ったり、協働でフィールドワークなどに挑戦します。乙部くんがこのコンテストに参加するきっかけとなったのは、3月に茨城県つくば市で行われた「つくばサイエンスエッジ2023」で「グローバルリンク クイーンズランド賞(GLQ賞)」を受賞したこと。これにより乙部くんにはGLQへの招待状と、大会側から四泊五日の渡航費が全額支給されました。

乙部くんがGLQでプレゼンテーションを行ったのは「環境DNAを用いたサンゴ移植場所の選定」と題された、彼が日頃サンゴ研究部で取り組んでいる内容です。
小学生時代に海の生物が好きだったことから、サンゴの研究に取り組んでいる玉川学園に興味を持ち、7年生から玉川学園で学んでいる乙部くん。サンゴ研究部に所属し、沖縄県の伊江島から送られてきたサンゴを育て、伊江島の海に戻すといった活動に取り組んできました。そうした中で生まれた疑問が、「もしサンゴの白化が進む海にサンゴを戻しても、白化が進むだけなのでは」ということでした。「サンゴが白化する海と、白化しない海の違いは何だろう」と考え始めた乙部くん。「当初は水質検査キットを用いてサンゴを移植しても問題ない環境を探そうと考えましたが、水質は日によって大きく変化します。また日々研究を行う中で、水質が完璧でもサンゴが育たないこともあり、数値として測定できるデータだけでサンゴの育成環境を選定するのは少し無理があるのではないかと考えました」と、乙部くんは当時を振り返ります。

いろいろな方策を検討した結果、乙部くんがたどり着いたのが「日本の河川などで使用されている生物指標のサンゴ版の作成」というアイデアで、それを実現するために着目したのが環境DNAでした。これは自然界の環境の中に存在する生物由来のDNAのこと。「さまざまな海の水を特殊な濾過装置にかけることで、そこにどんな種類の生物がどれだけの量生息しているのかが明確になります。こうして得られた各地のデータから、サンゴを植えるのに最適な場所を見つけようと思っています」。

まずはサンゴ研究部がサンゴの育成を依頼されている沖縄県の伊江島と、石垣島近郊の石西礁湖で環境DNAの調査を開始。伊江島は近年珍しくサンゴが増え続けている海域であり、一方の石西礁湖は急激にサンゴが減少している場所。現在は双方を比較するためのデータ解析を待っている段階です。
「この研究の苦労点が、検査に時間とコストがかかる点です。僕が卒業するまでには研究が終わらないと思うので、サンゴ研究部の下級生たちに託したいと思います」と、乙部くんは研究について語ってくれました。

またGLQに参加してみての感想を聞いてみると、「海外の同世代が、自分が本当に好きなこと、興味のあることを突き詰めて取り組んでいる姿勢に驚かされました。またプレゼンテーションではもっと英語力を身に付けなければということも痛感しました」という答えが。
GLQへの参加が決まってから、学園内で先生から英語の指導を受けたり、想定される質問に対しての回答を考えるといった準備を進めてきた乙部くんですが、想定外の質問には苦戦したそうです。

「今回の研究が、自分のサンゴ研究部6年間の集大成」という乙部くん。サンゴについて調べるうちに、環境問題など周辺の知識や問題についても調べるようになり、またさまざまな場所でプレゼンテーションを行う機会も増えるなど、多くの経験ができたといいます。「卒業後は大学で統計科学や情報学など、ビッグデータにかかわる勉強がしたい」という乙部くんの、今後がとても楽しみです。

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