7年生(中学1年生) 朗読劇鑑賞会で感性を磨く

2014.01.27

1月22日、7年生(中学1年生)が国語科授業の一環として朗読劇の鑑賞をしました。中学年校舎の講堂で行われる鑑賞会は毎年、朗読劇グループD.I.L.(Dorama In Life)の方々に、7年生が国語の授業で学んだ作品を表現していただいています。この教育活動は10年以上も続いており、グループの代表でもある玉川まや子先生(元玉川大学芸術学部非常勤講師)をはじめ、メンバーのほとんどが本学を卒業した先輩方です。

1つ目の作品は、『平家物語』から「那須与一(なすのよいち)」です。玉川先生は「平家物語は琵琶の音色にのせて語りつがれてきたもの。古典というとむずかしいイメージがあると思いますが、与一が一本の矢に集中した場面、みなさんも一人で何かに立ち向かわなくてはならないといった経験が今までにあったのではないでしょうか」と投げかけます。続いて「800年前とは時代や言葉こそ違うけれど、もしこれが自分だったら・・・与一と心を一緒にして、鑑賞してみてください」とポイントを説明してくださいました。照明が消え、琵琶の音色とともに波の音が響き渡ると、舞台は屋島の海へと化し、時間と空間を超えて物語が始まります。出演者全員が息を合わせ群読。特に与一が船にいる敵である平家の扇めがけて矢を放つ場面では、扇子を使って波を表現し、テンポを上げた語り口調は、緊迫した空間をつくり出して観る側に臨場感を与えました。

次は、「空中ブランコ乗りのキキ」。世界で唯一3回宙返りができる空中ブランコ乗りのキキは、別のサーカス団ピピが3回宙返りに成功したことを知ると、人気が落ちることを気にして、死を覚悟に4回宙返りを成功させます。けれども人々がほめたたえている時にはキキの姿はなく、翌朝、サーカスのテントにとまっていた白い鳥が悲しそうに海へ飛んでいくというストーリーです。「かぎかっこ(「」)部分を登場人物が読み、他のところをナレーターが読みます。役割を決めて読んでいくと、物語が立体的になってわかりやすくなります」。そして、「この作品には、この時期にみなさんが考えなければならない要素が入っています。一つ一つのセリフを聞きながら登場人物と重ね合せ、自分自身が何のために、誰に対して、どんなふうに生きていきたいのか、生きる意味を考えてみてください」と読み進めるうえでのヒントをいただきました。

鑑賞が終わると、生徒の代表がD.I.Lのみなさんへ感謝の気持ちを述べ、全員で歌のプレゼント。大きな拍手に包まれて鑑賞会が締めくくられました。参加した生徒からは「与一の気持ちがわかり、情景が目に浮かんできた」や「これから古典を違う視点でとらえることができそう」、「キキは女の子だと思って読んでいたけれど、劇の設定は男の子になっていて、読む人によってイメージが違うことに気が付いた」、「今までキキの結末について漠然としていたが、今回の朗読劇を通して、キキは白い鳥になったのだと自分なりの答えがみつかった」という声が聞かれました。先輩方による朗読表現は、作品をより一層身近なものとし、登場人物の気持ちと自分自身の気持ちを重ね合わせていくことで、作品に深く踏み込む大切さを学びました。改めて教科書を読み返した時、きっと新しい世界が広がっていることでしょう。