2018年・春 お酒を飲むときに知っておきたいこと
ご進級、ご入学、ご就職おめでとうございます。新しい環境、新しい友人や同僚、クラブ活動やアルバイトでの歓送迎会など、公私ともにアルコールに接する機会の増える時期です。仲間で愉快にお酒を楽しむ前に、抑えておきたいポイントをご紹介したいと思います。
1.知っておくべき、アルコール禁!!の人たち
- 未成年の人:日本では20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
- 妊娠・授乳中の人:少量のアルコールでも、お腹の赤ちゃんに届きます。
- 薬を飲んでいる人:思わぬ作用により昏睡状態に陥ることがあります。
- 運転する人:もちろん法律に違反します。
- スポーツをする時
- アルコール依存症の人
- 肝臓病、糖尿病、心臓病、高血圧など持病をお持ちの方で、医師から飲酒を止められている人。
2.お酒に強いひと、弱いひと:アルコールに対する体質の特徴
体内に入ったアルコールは、消化管から消化されずに直接吸収され、血流にのって肝臓に運ばれ、肝臓で酸化の過程を経て分解されます。お酒に強い、弱い、の個人差は、この分解の過程の違いによります。分解の過程での最も大きな個人差は、「ALDH2」という酵素の働きです。この酵素の働き方は遺伝によって決定され、3つのタイプに分類されます。
タイプ1. 非活性型:全く飲めないタイプ
日本人の約10%がこのタイプです。遺伝的な体質なので、どんなに訓練しても飲めるようにはなりません。少量のアルコールで、顔面紅潮・動悸・頭痛などの不快な反応を起こします。失神することもあります。このタイプに無理にお酒をすすめるのは拷問と同じです。
タイプ2. 低活性型:飲んだら悪酔いする、ホントは飲めないタイプ
日本人の約30%がこのタイプです。ALDH2がわずかに働くので、タイプ1のように全く飲めないわけではありませんが、やはり顔面紅潮、動悸、頭痛のフラッシング反応を引き起こし危険です。分解はするけれども時間がかかるので、体内に成分が貯留しやすく、肝臓などの臓器に害をうけやすいので注意が必要です。
タイプ3. 活性型:悪酔いせず、飲みすぎ注意のタイプ
日本人の約60%です。悪酔いをあまり経験せずに酔いを楽しむことができる為、ついつい飲みすぎてしまうタイプです。アルコール依存症の90%がこのタイプ。肝臓障害のリスクも大きいので要注意です。
3.アルコールハラスメントを防ごう!!
アルコールハラスメントは飲酒にまつわる人権侵害です。特定非営利活動法人ASKおよびイッキ飲み防止連絡協議会によるアルコールハラスメントの定義をご紹介します。
- 飲酒の強要:心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むこと。
- イッキ飲ませ:場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。
- 意図的な酔いつぶし:傷害行為にあたることもある。
- 飲めない人への配慮を欠くこと:飲めないことをからかったり侮辱する、など。
- 酔った上での迷惑行為:酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力など。
タイプ3の活性型の人にとって、お酒でほろ酔いはとても楽しいものですが、みんながそうではないことを正しく理解して、参加しているみんなが愉快に安全に楽しめる飲み会にしたいものです。
!これだけは守ってもらいたい飲み会のルール!
- アルハラをなくすこと
- 酔いつぶれた人がでたら介抱し、必要なら早めに医療機関へ