2021年・秋 インフルエンザの流行と予防について
例年のインフルエンザ流行の季節が近づいてきました。今期は、やや感染の落ち着いてきた新型コロナウイルス感染症との同時流行もあるとされ、予防手段として、インフルエンザワクチン接種が開始されています。昨年は、社会全体の新型コロナウイルス予防対策の効果もあり、インフルエンザの流行が抑えられました。このため、今年は多くの人々のインフルエンザに対する免疫力が低下していることが懸念されています。
ワクチン接種の効果および接種時期
インフルエンザワクチンは、発症をある程度抑え、特に重症化を予防する効果があるため、高齢者や基礎疾患のある方、また医療・介護従事者には積極的に勧められています。インフルエンザワクチンは、亜型株が多数存在しますが、ワクチン株と流行株が一致した場合の、65歳以下の成人における有効率は60~90%です。特に重症化予防など、ワクチン接種には一定の効果があると考えられています。
通常日本では、インフルエンザは11月~3月頃に流行します。インフルエンザワクチン接種は成人で1回ですが、新型コロナウイルスワクチン接種とは14日以上の間隔が必要となります。インフルエンザ流行時期の2-3週間前に接種が済むように計画してください。
日常生活でできる主な予防策
- 十分な休養・栄養・水分をとり、規則正しい生活を送る
- 人ごみや繁華街への外出を控え、密を避ける
- 適度な室内温度・湿度・換気を心がける
- こまめな手洗いと手指消毒の励行
インフルエンザにかかった場合
療養期間は発症後5日を経過し、かつ、解熱後2日を経過するまでを目安とし、医師の指示に従って自宅療養してください。この期間は、学校安全衛生法規則により、出校停止と定められています。
今年の冬季も新型コロナウイルス感染症・インフルエンザの動向は未知数です。同じ飛沫感染によって広がるインフルエンザ予防法は、新型コロナウイルス感染症に対する予防策でもあります。日常生活でできる予防は、ぜひ実践してください。