2024年・冬 お薬の話「OTC医薬品について」
OTC医薬品とは、Over The Counterの略で薬局やドラッグストアなどで医師や歯科医師の処方箋なしで買える医薬品のことを言います(カウンター越しにお薬を販売する形に由来しています)。OTC医薬品には、医薬品医療機器等法で定められたリスクの程度によって買い方が変わり、分類に応じた薬の説明を薬剤師などが行います。
要指示医薬品、第1類医薬品は、薬剤師が書面を用いて購入者に適正使用のための情報提供を行わなければなりません。
第2類医薬品、第3類医薬品は、薬剤師または登録販売員による販売が可能です。 また、これらの分類に応じて陳列場所も異なります。
スイッチOTC医薬品
皆さんはスイッチOTC医薬品という言葉を聞いたことがありますか?
医師から処方される医療用医薬品のうち、副作用が少なく安全性の高いものをOTC医薬品に転用(スイッチ)したものをスイッチOTC医薬品といいます。スイッチOTC医薬品には、医療機関で処方される薬と同じ有効成分が入っているため、効き目が良く、軽い不調の際に役立ちます。医療機関を受診せずに薬局で購入できるため、医療機関を受診する時間のない人にとって時間的にもメリットになります。
スイッチOTC医薬品には、かぜ薬や胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむし用薬、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬などがあります。購入する際には、薬剤師に相談して適切なものを選びましょう。普段から服用している薬がある場合は、お薬手帳を見せて飲み合わせをみてもらって下さい。また摂取しているサプリメントについても同様に相談して下さい。薬の説明書を読み、効能や使用上の注意、用法、用量などをきちんと確認し、正しく用いることが大切です。コロナ禍以降不足している、咳止め、解熱剤、去痰薬、漢方薬など医療用医薬品(処方箋でもらう薬)もOTC医薬品で販売されているものがありますので、OTC医薬品を利用するもの選択肢の一つとして有効です。
なお、スイッチOTC医薬品などの市販薬を服用しても症状が十分に改善しない場合は、早めに医療機関を受診して下さい。
セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)
セルフメディケーション税制は、医療費控除の特例として、スイッチOTC医薬品等を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです(注意:医療費控除とは併用できません)。該当商品を購入したことを示す領収書(レシート)が必要なので、スイッチOTC医薬品等を購入した際にはレシートを取っておきましょう。該当商品には印が付いています。(レシートによって異なることもあります)生計を一にする親族の1年間該当商品の購入金額の合計が12000円を超えるときに控除が受けられますので、レシートは世帯主に渡しましょう。
セルフメディケーション税制については、以下のサイト等をご参考になさってください。