シュナイダー像
経塚山の山頂、アドベンチャー教育を行うためのチャレンジロープスコース(ハイエレメント)が設置されているところにシュナイダー像がある。
“アルペンスキーの父”として知られるハンネス・シュナイダー(1890~1955年)は、「玉川学園とスキー」の基盤を築いた人物である。昭和5(1930)年、創立者小原國芳は、オーストリアから“スキーの神様”であるシュナイダーを日本に招聘した。シュナイダーは当時、アルペンスキー、ジャンプ競技において常に第1位となるトッププレーヤーであった。「スキーを習うなら世界一のスキーヤーから習いたい。」という子供たちの願いを耳にした創立者は、すぐに総領事館に直接交渉した。その熱意が伝わって、わずか1カ月も経たないうちにシュナイダーの来日が実現した。連日のハードスケジュールの中、本学の生徒たちに熱心にスキーの講習を行ってくれた。
昭和38(1963)年に再びオーストリアからスキーヤーたちが本学に来園したことを記念して、当時の美術部の学生たちが「シュナイダー像」を制作した。その後、昭和57(1982)年に、彫刻家の松田芳雄氏によって、白セメント製からプラスティック製の像に取り替えられた。
シュナイダーが伝えたスキーの精神は、今も玉川の子供たちに受け継がれている。
参考文献
『玉川学園の教育活動 玉川大学の教育活動 玉川大学大学院の研究活動』(2008~2009)
玉川学園五十年史編纂委員会編『玉川学園五十年史』玉川学園 1980