ロボカップ世界一へ! 玉川大工学部の挑戦。
今年のロボカップ世界大会でも優勝を果たした
玉川大学ロボットチャレンジプロジェクト。
その先にあるのは、人に秘められた謎の解明と、
ロボットから始まる人々のつながりでした。
世界へ挑む「ロボットチャレンジプロジェクト」
ロボカップという言葉を知っていますか? これはロボット研究発展のために、ロボットによるさまざまな競技が行われる大会で、世界40ヵ国以上の国々から5,000人以上の人が参加します。
その中のひとつ、「@ホームリーグ」は、日常生活で活躍するロボットの技術を競うもの。玉川大学のロボットチャレンジプロジェクトチーム“eR@sers”(イレイサーズ)はこの競技で2008年から3年連続日本一、世界大会でも2度の優勝に輝く強豪です。
工学部の研究成果を惜しみなく活用
ロボットチャレンジプロジェクトは玉川大学の工学部機械情報システム学科を中心とした取り組みです。メンバーは大学1年生から大学院生まで十数名。世界一を目標にロボットのプログラミングに取り組みます。大会前は泊まり込みで研究を続けることも。世界一への想いが研究心に火を付けます。 昨年世界大会で優勝を逃した悔しさをバネに、今年はロボットも新開発しました。5つのカメラと3つのセンサーを備え、自在にものをつかめるアームと全方向への移動機構を搭載しています。この移動機構は日本ロボット学会賞も受賞した高度なもの。このロボットには工学部の研究成果が存分に生かされているのです。
すべては人間の理解へつながっている
チームの指揮を執る岡田浩之教授は、ロボットの研究は人間の理解へとつながっていると話します。
「例えば、@ホームリーグでは“となりの部屋からティッシュペーパーを取ってくる”などの課題が出されます。課題クリアのためには、部屋の移動、ドアの開閉、位置の確認、ものをつかむ、など複雑なプログラムが必要。その開発は実に困難です。しかし、私たち人間は無意識にそれができる。それはなぜか? ロボットの研究はこの謎を解明する手がかりを教えてくれるのです」。
ロボットのプログラミングを通して人間を理解する。これが、ロボカップ世界一をめざすeR@sersのもう一つの目的なのです。
ロボットから始まる学園全体の連携
ロボットチャレンジプログラムは工学部だけの取り組みではありません。例えばロボットのデザインを芸術学部の学生が担当するなど学際的な要素も多く、どの学部に所属していても参加することができます。
また、玉川学園では小学生・中学生のときからロボットに関する授業を行っています。興味を持った子どもたちが放課後、工学部のロボット工房に見学に来ることもしばしば。世界有数のロボット技術が、着実に後輩たちに受け継がれています。
今後は芸術学部パフォーミング・アーツ学科との連携で、ロボットと人が共演する“ロボット演劇”も計画中。ロボカップ世界一の先には、さらなるチャレンジが待っています。今後も、玉川大学のロボットチャレンジプロジェクトから目が離せません!