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社会に開かれた教育―教育学部の学生が町田市初のこども食堂でクリスマス会を企画

2016.12.22

12月15日、玉川大学教育学部の学生が町田市初のこども食堂「にこにこ清風食堂」にて、クリスマス会を企画しました。学生がクリスマス会を企画することになったプロセスと、約20名の子供達と大学生がレクリエーションを楽しんだ様子をレポートします。

こども食堂は、地域の人々が無料もしくは安価で子供達に食事を提供する取り組みで、全国に拡がっています。その背景には、経済的な理由などで心身の成長に必要な食事を十分に得られない子供や、一人で食事をする孤食の子供の増加という社会的な課題があります。

生涯学習ゼミのアクティブ・ラーニング

子供達と一緒に遊ぶ

暗くなっても楽しそうに遊ぶ子供達

宿題等の学習支援

町田市初のこども食堂は、一人で食事する子供を少しでも減らしたいという思いと、子供と認知症高齢者の交流というコンセプトのもとに特別養護老人ホーム「清風園」にて「にこにこ清風食堂」として2016年6月から始まりました。第1・第3木曜日に開かれており、毎回、教育学部の生涯学習ゼミの3年生全員が交代でボランティアに行き、子供達と遊んだり宿題などの学習支援を行っています。普段の活動スケジュールは以下のとおりです。

17:00~18:00 レクリエーションや学習支援
18:00~18:30 楽しくお食事
18:30~19:00 食後のレクリエーション

夕食は、清風園に併設されたグループホーム「丘の家清風」の皆様と共に頂きます。

生涯学習ゼミとして携わることについて、中村香教授は、「最初お話しをいただいた時は不安でしたが、ゼミの学生達とどのように関われるか相談しました。すると、学生から町田市初のこども食堂を自分達にできる方法で応援したい。また、子供からお年寄りまでいる環境は、生涯学習について学ぶゼミ生にとってアクティブ・ラーニングの機会になるのではという意見があがり、それならばやってみようとゼミ生全員で参加することにしました。」と語ってくれました。

ゼミでは、 この活動が主体的・対話的で深い学びとなるよう、活動のふり返りを共有し、地域社会の一員としての大学生の役割や子供との接し方を学び合っています。また、子供の貧困やこども食堂が全国に拡がった背景などを調査し理解を深め、その成果をコスモス祭で報告しました。

コスモス祭での展示の一部
レクリエーションの練習

「にこにこ清風食堂」の開設当初から約半年間は、ボランティアとして関わっていく中で、子供への注意の仕方や、グループホームの皆様と子供達との関係の築き方などで悩むこともありました。しかし少しずつですが学生がリードできるようになり、今回のクリスマス会の企画を任せていただくことになりました。学生は当日の準備のため、講義の空き時間に集まり、子供達に楽しんでもらえるように企画を練り、役割分担や小道具を作成など、レクリエーションの準備と練習に時間をかけました。

クリスマス会

いよいよクリスマス会当日です。今日はいつもとは違い食事の前に楽しいクリスマス会からスタートです。ピアノが得意な学生の伴奏による「あわてんぼうのサンタクロース」の歌でクリスマスの雰囲気を演出します。子供達と一緒に歌っているところに、サンタクロースの服を着た学生が登場。子供達の気持ちをしっかりとらえます。サンタクロースの学生を中心にいろいろなゲームを行いました。これは、子供同士が親しくなれるようにと考えたものです。さらに教育学部の理科・環境教育ゼミの皆さんの協力を得て、蜜蝋のキャンドルやクリスマスカードも作りました。子供達全員が満足するプレゼントを用意することは難しいけれど、自分達でキャンドルやクリスマスカードを制作するこの企画は、その作成プロセスも楽しむことができ、まさに学生達が考えた「一緒に思い出を創る」プレゼントになりました。

サンタクロースが登場
ゲームを楽しむ
蜜蝋のキャンドル作り
皆でクリスマス・ディナー
クリスマスカード作り
幼い子に寄り添う学生

生涯学習ゼミには、14人の3年生がいますが、全員が集まるだけでも容易なことではなく、話し合いが進まない停滞期もありました。それでも期待に応えたい、子供達の笑顔が見たいという思いで、企画実施まで入念な準備を進めてきました。当日にも、子供達が作りたいキャンドルが星型に集中してしまうなどの想定外のこともありましたが、その要望に応え臨機応変な対応も学びの機会になりました。子供達にとっても思い出に残る楽しいクリスマス会になったのではないでしょうか。

クリスマス会を終えた学生は、「このような企画にチャレンジできたことと、イベントを任せていただけるといった信頼関係を清風園の方々と築けたことにとても充実感を持てました」、「反省点をどのように日常に落とし込めるかという点をこれから考えていきたいです」、「これからも清風園と協力して、こども食堂を盛り上げていきたいです」等とふり返っていました。中村教授は「学習指導要領改訂の方向性として、『社会に開かれた教育課程』の実現が示されています。教員を目指す学生自身が、地域の方と連携・協働しながら、主体的・対話的で深い学びとなる経験をしてみることが大事なのではないでしょうか。このような機会を頂けたことに感謝するとともに、今後も社会に開かれた教育を心がけたいと思います」と語っていました。

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