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9月15日(金)~18日(月・祝)、東京芸術劇場シアターイーストにて、東京演劇大学連盟5大学による『シアタースポーツ™』を上演

2017.08.23

「演劇」と「スポーツ」が融合したエンターテインメント『シアタースポーツ™』を、演劇実践系5大学混合の8チーム・キャスト36人、スタッフ16名が上演。お客様と共に創り上げる客席一体型の即興対決で、優勝チームを決定します。どのようなお芝居が繰り広げられるのか、エキサイティングなステージの上演を間近に控えた稽古場を訪ねました。

「考えろ、カラダ。感じろ、頭脳。」――演劇とスポーツが融合した舞台

『シアタースポーツ™』とは、世界的な即興演劇(Improvisation<インプロヴィゼーション、通称:インプロ>)の指導者、キース・ジョンストン氏によって確立されたショー形式のお芝居です。3~5名のチームに分かれた出演者たちが、観客から出されたお題をもとに、様々なルールに従ってその場で即興劇を作り上げて対戦するものです。3人のジャッジと呼ばれる審査員が「スキル」「ストーリー」「エンターテインメント」を担当して採点。ジャッジの合計点がそのチームの持ち点になり、最終的に得点の高かったチームが優勝。最後まで何が起こるか分からない、スポーツを観戦するように演劇を楽しむことから、その名がついたエキサイティングなステージなのです。

1977年の公式パフォーマンス後、世界30か国以上で上演されている『シアタースポーツ™』はライセンス管理され、日本の大学で唯一玉川大学が上演ライセンスを保有しています。そして、芸術学部パフォーミング・アーツ学科の公演の一つとして、これまで2回上演してきました。

今回は、演劇の実技教育を担う都内の5大学(玉川大学・多摩美術大学・桐朋学園芸術短期大学・日本大学・桜美林大学)が演劇実技教育の交流と共同研究の実践を目的として設立した「東京演劇大学連盟(通称:演大連)」による5回目の公演で、玉川大学が主催となります。「考えろ、カラダ。感じろ、頭脳。」とキャッチーなコピーに興味をそそられる本公演。目指すのは、俳優にとって難しいことの一つ「即興性」に挑戦し、想定外のアイデアを否定せず尊重し、好奇心を持ち、失敗を恐れずに楽しむなど、演劇の実践に求められる部分を掘り下げることと、観客が満足できるエンターテインメント性、演劇を学ぶ大学生たちの可能性を披露する場にすることです。

キャストは、演大連のオーディションで選出された36名。舞台監督、美術、照明、音響などのスタッフ16名も演大連の学生で、学生による手作りの公演です。しかし、有料でお客様に満足していただくには、プロフェッショナルのサポートも必要です。そこで演出に本学卒業生で非常勤講師でもある、国際的プロフェッショナル・インプロバイザー絹川友梨氏と芸術学部の太宰久夫教授、スタッフ技術アドバイザーに同学部・菊地芳子教授らが参加して、プロフェッショナルの厳しい指導が続けられています。

8月1日から始まった5大学合同の本稽古で、インプロのスキルを上げる!

5回目の節目となる公演は、9月15日(金)から4日間、東京芸術劇場シアターイーストで上演されます。休憩なしの2時間のバトルを繰り広げるために、ただいま本学にて稽古の真っ最中です。8月1日から始まった本稽古の様子を見学しました。

この日は絹川氏による稽古。「感情のゲーム」と呼ぶエクササイズでは、「うれしい」「悲しい」「パニック」「モヤモヤ」などの感情のエリアを作り、そのエリアに入るとその感情を言葉や身体で表します。エリアを移動し、その感情のおもむくままにストーリーを作るというものです。最初は個人で移動。次に2人組になり、言葉を交わすことは禁じられますが、感情のエリアを移動しながら相手を見てリアクションするといった感情と身体の表現を交換し合います。絹川氏は、「相手とアイコンタクトすることが大切」とアドバイスしていました。

次のエクササイズは、「スタントマン」。その名の通り、男女2人の「スター」の代役として、スターが演じたくないアクションを演じるものです。スターは華やかに優雅に、一方のスタントマンはいきなり振られたシーンで全力のアクションをスローモーションで見せていきます。スターのシーンとスタントマンのシーンをしっかりと繋げて作品に仕上げる創造力と、キレのある動きが必要。カレーを作るシーンから、食材を求めて大立ち回りの展開。奇想天外なシーンを熱く演じているキャストを盛り上げる大きな拍手に、『シアタースポーツ™』のおもしろさを垣間見ました。

どのような展開になるのか!? 若い力が漲る舞台を、この目で確かめよう!

『シアタースポーツ™』の舞台づくりは、参加する5大学の学生たちの手によるものです。演出家を支える「演出部」5名の学生はキャストを兼ね、エクササイズに入る前のウォーミングアップやストレッチ、筋トレ、発声練習などのリーダーとして活動したり、キャストやスタッフの悩みの相談に乗ったり、演出の絹川氏の助手として手助けするなど、裏方的な働きにも積極的に関わっているようです。そんな彼らに『シアタースポーツ™』への意気込み、期待を聞きました。

「これまで演技をする時にちょっと考えてしまう癖がありましたが、他大学の自由で突飛な演技に驚かされ、稽古当初に比べたら考え込まずに演技に入れるようになったと思っています。全員が本気で全力でやっている瞬間が楽しいですね。キャストの発声練習でアドバイスしたり、参加者全員で一体になっている感覚が日増しに強くなっています。上演が楽しみです」
(桐朋学園芸術短期大学2年 石田彩乃さん)

「中学から演劇活動をしてきましたが、台本のある芝居が多く、即興劇の経験はあまりありません。ワークショップで2人1組になり、1人は単語だけぽんぽん言い、もう1人がその単語を使って話すのですが、とにかく単語を消化して使おうという脳みそが働いて、とても『シアタースポーツ™』らしい。日々の稽古を通して台本のある芝居とは違う脳みそを使う演劇を楽しみつつ、難しさも感じています」
(桐朋学園芸術短期大学2年 青木みなみさん)

「台本のある芝居では演出家の指示に従いますが、役者も自分で考えることが必要なんだと気づきました。今後、台本のある芝居でもその演出について、なぜそうするか、自分はどうしたいかの思考を手に入れるために、『シアタースポーツ™』を通して、インプロをきちんと学ぶべきだと実感しています」
(日本大学3年 福岡悠莉さん)

「大学から演劇を始め、台本のある演劇では稽古を進めると、このシーンはうまくいった、完成が見えてきたなど、作品が完成していく過程を実感できますが、インプロにはそれがありません。何が起こるか、すべては本番まで分からない状況で、不安とそれ以上の期待を抱いています。5大学のキャストとスタッフ全員が集まる本稽古が始まって1週間足らずですが、成長できていることを実感しているので、どうなっていくのか楽しみです」
(桐朋学園芸術短期大学専攻科演劇専攻1年 上杉颯さん)

「『シアタースポーツ™』は学内公演で2回とも出演しているので、自分の出来ることでサポートしていこうという意気込みで臨みました。ところが、他大学の文化に触れてみると、その考え方、インプロでのアイデアの出し方や身体との関わり方などは学校や個人によって異なり、自分の方が教えてもらってばかりいます。インプロで学んだことで皆の芝居が変化していくのを目の当たりにして、役者として活動していく中でインプロのスキルが活きていくと考えています」
(玉川大学4年 岩見聡文さん)

また、3名のスタッフにも話を聞きました。

「学内公演の『シアタースポーツ™』にスタッフとして参加し、昨年も制作を担当しましたが、演大連での上演は規模が大きく、制作の方法、広報的なアプローチ、チケットの管理などの仕方もまったく異なります。制作担当を1人でこなしているので、スケジュールの立て方や広報の仕方など考え日々大変ですが、今後の糧になるだろうと考えています。台本のない即興劇は、『観に来ないと分からないおもしろさ』の一言に尽きます。ぜひご覧ください」
(玉川大学3年 制作担当 綾部果穂さん)

「前回の学内公演で『シアタースポーツ™』に関わり2回目です。8月から5大学での本稽古が始まるまでは、各大学で稽古し、距離のある中で準備を進めてきました。そのため、コミュニケーションの難しさを本稽古まで感じていましたが、始まると毎日顔を合わせ、意思疎通しやすくなり、稽古やプロダクションが円滑に回り出していることを感じています。他大学の方は玉川大学へ来るのも初めてという方が多いので、日常のこと、スタッフとの関わりなどで、稽古や作業に没頭しやすいように気を配っています」
(玉川大学3年 舞台監督助手 瀧沢駿介さん)

「学内公演の『シアタースポーツ™』で関わってきましたが、しっかりと関わるのは今回が初めてで、しかも舞台監督です。5大学の集合体なので、舞台監督として全体の進行、タイムテーブルを考えるためにも、各部署のスタッフと1日に1回はコミュニケーションをとり、舞台監督として全体を見ることを心がけています。初めてのことが多く何をすべきか分からない中で、コミュニケーションを大切にして、皆ときちんと一緒に歩んでいきたいと考えています」
(玉川大学3年 舞台監督 米村美那さん)

では、最後に製作委員長である菊地先生に聞きました。

「今回上演する『シアタースポーツ™』は演劇系大学共同制作5年目の節目の公演となります。この共同製作により5大学が交流を続けてこれたことは大変意義のあることです。共同制作を経験された教員の方々からのアドバイスをいただき、教員同士も刺激し合いながら、学生達の舞台づくりのサポートに活かしています。

『シアタースポーツ™』は絹川先生が国内外で指導をされ、演劇界に新たな風を吹き込んでくれているものです。日々の稽古の積み重ねにより、学生達の創造力は大きく成長しています。そして学生達の可能性は無限です。人生経験の少なさも即興のおもしろいところです。私も稽古を見ていると『あれ、違うよ。私ならこうやる』と舞台に立ちたくなるんです(笑)。ぜひそのおもしろさと、大学の枠を超えたチームワークのよい公演を観にいらしてください」

演劇系大学共同制作vol.5『シアタースポーツ™』公演の日程は、
9月15日(金)19:00~
9月16日(土)13:00~、18:00~
9月17日(日)13:00~
9月18日(月・祝)13:00~

チケット料金は前売り・当日共通で、日時指定・全席自由、一般2000円、大学生1500円、高校生以下500円、2回セット券(一般・前売りのみ)3500円。 最後まで展開の分からないエキサイティングなステージ。チケットは絶賛発売中です。ぜひご覧ください。

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