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自分の意見を持って、一票を投じられる人に――9年生・12年生の授業で衆議院選の模擬選挙を実施

2017.10.20

10月22日(日)に第48回衆議院総選挙が行われます。玉川学園では2002年から、こうした衆院選や参院選、さらに東京都知事選など実際の選挙が行われるたびに、日本社会や政治への関心を高めることを目的に模擬選挙を実施。その回数は16回を数えます。社会科・公民科の授業の中で解説やディスカッションを取り入れながら行ったり、中央委員会(生徒会)主導で放課後の5年生から12年生を対象にした模擬選挙(よびかけ投票)も行ってきました。そして今回の衆院選でも、10月17日(火)・18日(水)・19日(木)に17回目の模擬選挙が行われました。特に今回は公職選挙の選挙権年齢が18歳に引き下げられてから初の衆院選であり、12年生の中には有権者として実際に一票を投じる生徒もいます。模擬選挙初日となった17日には、新聞社などメディアの方を集めた公開授業・公開投票が行われました。

この日の模擬選挙は、12年生の公民科の選択授業「World Studies」内で行われました。実際にこの授業を履修する生徒の約半数が、選挙権を持っています。授業の冒頭で、指導を担当する武居秀俊先生が「なぜ選挙、そして投票することが大事だと思いますか?」と生徒たちに問いかけます。「国民の意見を反映させることが大事だから」「それが民主主義だから」といった意見が生徒からも出されます。「選挙の重要性を考えるために、選挙のない社会というものを考えてみましょう」と武居先生。「選挙がなければ権力のある人に有利な社会になってしまう。そして選挙がなければ、権力者になるために戦争を起こすといったことも起こるのです」。

武居先生の説明で選挙の重要性を理解した上で、選挙公報やNPOがまとめた政策比較表が生徒たちに配られ、三人一組になって投票のための争点や疑問点を出し合っていきます。各政党のマニフェストを読み、「これは実現性に乏しい」「この政党は、敢えて戦争について触れていない」など、思い思いの意見を述べる生徒たち。公報に書かれた政策の重要な部分にマーカーを引く生徒もいます。

30分ほどディスカッションを行った後、それぞれの考えた争点やポイントなどを、ホワイトボードに書き出していきます。国防を一番の争点とするグループ、増税や消費税を一番の争点とするグループなど、視点は各グループによって異なり、その理由もさまざまです。「こうした争点を実現に近づけるためには?」という武居先生の問いに、「自分の考えに近い政党を選ぶことが大事」と答える生徒たち。


そして、実際に投票を行います(政党名投票のみ)。この模擬選挙の特徴は、可能な限り現実の選挙に近い形で行われる点です。配布された選挙公報はもちろん、投票箱や記載台、政党名一覧などは町田選挙管理委員会から借用。教室の外の廊下には、記載台が並べられています。そして生徒たちは受付を済まし、渡された投票用紙に自分の考えに合った政党名を記入していきます。

投票後は教室に戻り、授業の続きが行われました。「実際に投票を行ってみて、どんな変化がありましたか?」という武居先生の問いに対して、生徒からは「投票の前にちょっと考えてみるだけでは、いい投票にはつながらない。いろいろな情報を集めて、常にどの政党に投票すればいいのかを考えていることが大事」「メディアは与党と有名な野党の対決ばかりを強調するけれど、いろいろな意見を持ったたくさんの党が存在することを知った」といった意見が聞かれました。また、若い人の投票率を上げるには「ネット投票を導入すべき」「親が選挙に行くことが大事」「小中学校でも模擬選挙をやるといい」といった意見も聞かれました。

今回の模擬選挙に参加した生徒にも話を聞いてみました。「今の若い世代は政見放送には堅い印象を持っているし、自分の一票で社会が変わることはないと思っています。けれども発信する気持ちが大切で、投票に至るまでの過程が大事と、今日の授業を受けて感じました。今回の模擬投票では、自分が最も関心のある大学の授業料無償化を考えている政党の中で、政策面でバランスの取れている政党を選んでみました(男子生徒)」。

生徒の感想にもある通り、大切なことは単に投票するのではなく、自分なりの意見を持って投票に臨むこと。そのためには多くの情報を揃えた上で熟考することが重要だと、生徒も実感したのではないでしょうか。「ぜひ今日経験したことを、いろんな人と話してください」と、授業の最後で語った武居先生。今回の模擬選挙の投票結果は、10月23日(月)に開票されます。玉川学園では、生徒たちがこうした授業を通して自分なりの一票を投じられるようになることをめざしています。

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