玉川大学・玉川学園Webサイト
IEサポート終了のお知らせ

玉川大学・玉川学園webサイトTOPページリニューアルに伴い、Microsoft 社の Internet Explorer(以下、IE)のサポートを終了いたしました。本学園が運営するサイトをIEで閲覧した場合正しく表示されない恐れがございます。
皆様にはご不便をおかけしますが、別のブラウザを利用しての閲覧をお願いいたします。

衆議院議員・石破茂氏による「大学生にいま伝えたいこと」と題した玉川大学学友会寄付講座が、リベラルアーツ学部1年生を対象に開催されました。

2018.01.23

昨年11月23日(木)、リベラルアーツ学部の1年生を対象とした、自由民主党所属の衆議院議員、石破茂氏による講演会が開催されました。今回の講演会は、リベラルアーツ学部の平林壯郎准教授が新聞記者として働き始めた30年以上前から、当時若手議員だった石破氏と親交があったことにより実現。玉川大学・玉川学園の卒業生によって構成される学友会による「学友会寄付講座」として実施されました。講演会には日頃から石破氏の取材を担当している大手新聞社の政治部記者の皆さんも同席。現在の政界で石破氏が重要な存在であることが分かります。

この日の講演会のテーマは、「大学生にいま伝えたいこと」です。
講演の冒頭では、昨年10月に行われた総選挙について触れ、「皆さん、選挙には行きましたか?」と学生に尋ねた石破氏。その問いに対して多くの学生が手を挙げたことにホッとしたようでした。
この日の講演では、自身の学生時代を振り返ることから話が始まりました。社会に出てみてから、学生時代の学びが非常に重要だと感じたそうです。そしてそうした学生時代の学びの重要性は、石破氏の学生時代よりも増していると考えているそうです。「それは、これからの時代が今まで以上に大変な時代になるからです。日本はこれから人口が減っていきます。80年後には、現在の半分の人口になるともいわれています。こうした時代に向けて、地方は元気を取り戻さなければいけない。東京も、今のままでは高齢者ばかりの街になってしまいます。昭和30年代には500万人を越える若い世代が東京へと流入してきました。これほど急激な人口増は、歴史上で他に類を見ません。当時、急激に若者の街となった東京が、今度は同じ速度で高齢者の街へと変貌しているのです」。これを何とかしなければいけないと、石破氏は語ります。

また、海外との関係にも多くの課題があります。「人類の歴史は戦争の歴史でもあります。領土や宗教、民族など、何か違いがあることが、戦争のきっかけになってきました」。第二次世界大戦後はアメリカとソ連という二大国のパワーバランスによって、何とか秩序が保たれてきた世界ですが、ソ連が崩壊したことで米国一強に。「そこから、またさまざまな問題が起こるようになりました。同時多発テロ事件のようなことが突然起きてしまう。昔なら国家レベルでしか起こせなかったようなことを、誰もが起こせる時代になったのです。こうした問題は、国連でも解決は難しいでしょう」。世界との関係が難しい時代になったからこそ、日本の国の舵取りはとても重要な局面を迎えており、生半可な勉強では太刀打ちできないと、石破氏は学生たちに力説します。

そして、政治にも興味を持ってほしいと石破氏は続けます。「政治は自分たちが決める。それが国民主権であり、だからこそ選挙があります。選挙の時だけでも、自分が首相になったつもりで一票を投じてもらいたい。どの政治家が本当のことを言っているのかを見極めてほしいのです。日本の医療費は42兆円にも上り、そこには若い世代が払う分も含まれています。『そんなのはおかしい』と思うのであれば、声を上げて一票を投じないといけません」。政治家を選ぶということは、自分たちの将来を選ぶこと。ぜひ、真剣に考えてもらいたいと学生たちに語りかけ、石破氏のこの日の講演は終わりました。

講演会終了後、石破氏は学生からの質問にも答えてくださいました。
「私たちがこれからできることは何でしょうか」という女子学生からの質問には「いろいろな勉強をすると思いますが、特に明治維新以降の歴史について学んでほしいですね。日本は、そして国民は、どのような判断を下したのかを知ってもらいたいと思います」との答えが。また「HPを拝見すると、安全保障について日米同盟を強化するとありますが、どのように強化すべきなのでしょうか」という女子学生からの質問には「アメリカが、将来にわたって強国でありつづけるかどうかは分かりません。そうしたときに、日本ができることは何だろうかと考えることが必要です」と答えてくださいました。さらに「世界を知らないことの怖さを感じました。今後の日本のために、若い世代に期待することはありますか」という男子学生からの質問には「愛知県長久手市の市長はさまざまな施策を行うことで知られていますが、彼は“行政が何でも行う時代は終わった”と言っています。このように時代はどんどんと変わっていきます。実際に街に出ていろいろな変化を感じることが大事です。本当の知恵は、現場にある。それがリベラルアーツということではないでしょうか」とも。そして「もしも首相となったら、現政権から受け継ぎたいところと変えたいところは?」といった質問もあり、石破氏が苦笑いする一幕もありました。

石破氏から学生たちへのメッセージは、しっかりと伝わったことでしょう。学生たちにとって、日本の政治の中心にいる方から直接お話を伺うことのできる、またとない機会となりました。

シェアする