注目を集める玉川のIB(国際バカロレア)教育。親学講座で、保護者向けの説明会が行われました。

2018.03.26

1月19日(金)、K-12父母会役員会が主催する親学講座が開催されました。本年度最後となる今回の親学講座では、国際バカロレア(International Baccalaureate、以下IB)クラスについての説明会が行われました。

玉川学園では2007年4月よりこのIBによる教育プログラムを取り入れています。2009年3月には11歳〜16歳を対象としたMYP(Middle Years Programme)の、そして2010年7月には高等学校の最終2学年を対象としたDP(Diploma Programme)の認定を受け、IBスクールとしての教育活動を展開。世界標準の教育プログラムで学んだ生徒たちは国内外大学進学や、海外での活躍を目標としています。IB教育については近年注目が集まり、文部科学省でも認定校を増やす取り組みを行っていますが、現状では一条校で20校、特にMYPの認定校は玉川学園を含めて5校に留まっています。

この日の説明会は、IBの概要から授業内容までを分かりやすく説明するプログラムということもあり、会場となった中学年講堂はほぼ満席に。お父様方の参加も普段の親学講座のときより多く、IBへの注目度の高さが伺えました。

説明会では、IB教育全体のコーディネートを担当するユーリカー・ウィリアム先生、MYPのコーディネートを担当するマオアテ・ポール先生、DPのコーディネートを担当するファーニバル・オリバー先生の順で説明が行われました。先生たちの説明はすべて英語でしたが、日本語で書かれた資料と渡瀬学園教学部長による解説が入り、保護者の皆さんの正確な理解を助ける内容となっていました。

ユーリカー先生の説明では、IBがどのような教育であるのかや、国際バカロレア機構の理念などが紹介されました。その中でIBが育てたいと考えている学習者像が紹介されましたが、その内容が玉川学園の12の教育信条と非常に近く、玉川教育とIBの親和性を感じさせました。また、生徒同士が机を向かい合わせてディスカッションを行いながら進める授業スタイルや、テストの代わりのポスター発表など、「何を学ぶのか」と同時に「どう学ぶのか」を重視した指導内容についての説明もありました。
MYPをコーディネートするマオアテ先生からは、MYPでどのような教育を行い、どのようなことを目標としているのかといった説明が行われました。MYPでは8つの科目グループを学ぶと同時にさまざまな活動に取り組みますが、その一つがService  Activity、玉川教育でいうところの「労作」です。この日はその中で行われたビーチ・クリーン活動などが紹介されました。この他にもMYP最終学年の10年生で取り組むパーソナル・プロジェクトなどを紹介。MYPで学ぶ生徒たちが具体的にどのような毎日を送っているのかが、保護者の皆さんにも伝わったのではないかと思います。
そして最後に登壇したファーニバル先生からは、IB教育の総仕上げとして取り組むDPの教育内容についての説明がありました。「高等教育及び国際社会における成功に向けた準備」がDPの目的ですが、そのために6つの教科グループにおいて、いくつかある科目の中から1科目を選択して学ぶと同時に、コア科目であるTOK(Theory of Knowledge)、EE(Extended Essay)、CAS(Creativity, Action, Service)を修了しなければいけないことなどを説明。また、なぜDPでの学習を選んだのかを生徒自身が語る映像も流されました。
コーディネーターによる説明が行われた後、質疑応答が行われました。「MYPやDPの科目を生徒が決める時期は?」など、具体的な質問も多く寄せられました。

短い休憩を挟んで行われたのが、IBクラスで学ぶ生徒による説明です。TOKでどのような議題を取り扱うのかといったことを、実際に保護者の皆さんの前でプレゼンテーションを行ったり、「絵文字」をテーマに生徒同士でディベートを実演。内容のレベルの高さもさることながら、臆せずに自分の言葉で堂々と話す姿が非常に印象的でした。この日のプレゼンテーションの準備時間には2時間ほどしかなかったそうですが、それを微塵も感じさせないほど“いつものこと”として身についている様子がうかがえました。

この日の親学講座の最後に、渡瀬学園教学部長からの挨拶がありました。「IBの創設者の一人、クルト・ハーンというドイツの教育者の功績には玉川のTAPのもとになっているアウトワード・バウンドという世界初の野外スクール、また玉川学園が日本で最初の参加校であるラウンドスクエアがあります。小原國芳先生はハーン氏と同時代に生き、ドイツへ教育視察にも訪れていますが、もし出会っていたら間違いなく意気投合していたであろうという学者もいます。それだけ國芳先生が想い描いたこととIB、TAP、ラウンドスクエアなどは共通しているということなのだと思います」。
文部科学省が掲げる教育改革は、これまでの知識詰め込み型から“自分の頭で考える“教育を重視しています。
その教育をすでに実践し、「学習とは主体的に意味を作り出していくプロセスであり、単なる知識の転移ではない」としているIB教育を子供に受けさせたいと考える保護者の方は多く、疑問や気になることも少なくないと思います。この日の親学講座ではコーディネーターだけでなく生徒たちによる説明もあり、より理解が深まったのではないでしょうか。