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新年度のスタートに合わせ「玉川大学大学院研究科交流会」が開催されました。

2018.05.01

2018年4月6日(金)、玉川大学大学教育棟 2014の521教室において、「玉川大学大学院研究科交流会」が開催されました。
専門分化した高度な教育・研究に取り組む大学院は、それゆえに同じ大学であっても研究科同士が交流する機会はめったにありません。しかし「人のため、社会のためになる研究」が重視されている現在、研究分野を超えた人的交流やコラボレーションの重要性はむしろ高まっています。
こうした問題意識のもと、一つのキャンパスにすべての研究科が集結している玉川大学のメリットを活かし、昨年の2月に初めて「玉川大学大学院研究科交流会」が開催されました。
この交流会は本学の大学院生と教員が一堂に会することで、各研究科の現状と展望をお互い理解し、専門分野を超えた交流を深めることなどを目的にしています。2回目となる今回は、年度始めに開催され、大学院生として一歩踏み出したばかりの新入生も多数参加し、研究へのモチベーションを高めました。

交流会は以下の3つのパートで構成されました。
(以下、敬称略)

① 学長講演「大学院生への期待」 

  • 講師:
    玉川大学学長 小原芳明

② 研究講演「研究の厳しさ・楽しさ」

  • 講師:
    宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所准教授・玉川大学非常勤講師 吉川真

③ 大学院生によるパネルディスカッション
「大学院の授業と研究について-キャリア形成の視点から」

  • パネリスト:
    文学研究科修士2年・魚本大地、農学研究科博士2年・西村正和、工学研究科博士3年・宮田真宏、教育学研究科修士2年・福村知加子、教職大学院修士2年・関野早慧華、脳科学研究科博士3年・仁科国之
  • コーディネーター:
    工学研究科長 相原威

「知的好奇心が研究活動の原動力。失敗を恐れないアドベンチャーを!」

はじめに小原学長が「大学院生への期待」と題して講演を行いました。3歳の幼稚園児から80歳の科目等履修生までが在籍している総合学園としての玉川学園の特長から始まり、そしてかつてはIVORY TOWER(象牙の塔)と呼ばれた大学・大学院の現在における変容とあり方について言及し、「人のため、社会のための研究」が求められる現状の中で、世界的にSTEM※1教育が注目されていることを解説されました。そしてそれに文系的要素であるArtsを加えた玉川のSTEAM※2の意義についてお話くださいました。
また「知れば知るほどに、知らないことの多さを知る」という言葉を取り上げて知的好奇心が優れた研究活動の原動力であることを説き、学生たちに対して「失敗を恐れず一歩踏み出す気概を!」と檄を飛ばしました。

  • 1STEM:Science,Technology, Engineering,Mathematics
  • 2STEAM:Science,Technology, Engineering,Arts,Mathematics

「世界初にはお手本がない。若い皆さんに次の“世界初”に挑戦してほしい」

次に宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所准教授で玉川大学非常勤講師でもある吉川真先生が、「研究の厳しさ・楽しさ」と題した研究講演を行いました。自身が関わっている小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトについて、日本中を感動の渦に包んだ「はやぶさ」の帰還までのプロセスと、今年の6月〜7月頃に小惑星「りゅうぐう」に到着予定である「はやぶさ2」のミッションについて解説されました。
「はやぶさ」が「世界初に挑戦する素晴らしさを教えてくれた」と吉川先生。「世界初に挑戦するということは、何もお手本がないということ。そこでは当然のように想定外の出来事や予期せぬトラブルが起きる。そのピンチを乗り越えるために重要なのはチームワークと忍耐力です」と自らの経験をもとに話されました。そして「太陽系の起源と生命の原材料を探す」という壮大なミッションを持つ「はやぶさ2」のプロジェクトが、若い世代の研究者によって主導されていることに触れ、「ここにいる若い大学院生の皆さんにも、ぜひ次の“世界初”に挑戦してほしい」と語りかけました。

多彩な経歴を持つ6名の大学院生によるプレゼンテーション&ディスカッション

最後は6名の大学院生によるプレゼンテーションとパネルディスカッションが行われました。
6人の大学院生が一人ずつ大学院への進学の理由、それぞれの研究テーマの説明、将来に向けた抱負についてプレゼンテーションを行いました。
多彩な経歴を持つ6名のうち4名は、仕事に従事した経験があります。これまでの経歴にも触れながら、大学院での学びや研究への取り組み方、そして自身のキャリアにいかにつなげていくか、など具体的に説明しました。

その後は、相原威工学研究科長の司会でパネルディスカッションが行われ、「大学院で得られるモノは?」「大学院での研究をどのように社会に還元していくか?」などのテーマで、それぞれの立場から意見を交わしました。「仲間と研究に取り組むことで、文献だけではわからない知見が得られる」「面白いと思ったことを主体的にとことん追究できる」「研究で身につく“論理的に判断する能力”は企業などでも役立つ」など、一人ひとりが高いモチベーションと目的意識を持って、研究に取り組んでいる様子がうかがえました。

閉会後は、場所を「Restaurant Sakufu」に移して、ポスター発表と教員との懇親会が開催されました。それぞれ志高く研究に取り組んでいる仲間がリラックスした雰囲気の中、専門分野の枠を超えて意見交換をして刺激し合い、今後の研究へのモチベーションを高める機会になりました。これから1年、人のため、そして社会のために、研究活動に勤しんでほしいと思います。

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