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『若者にもっとお茶を飲んでもらうには?』 伊藤園の協力のもと、芸術学部の学生がコミュニケーションの再構築に取り組みます。

2018.06.14

芸術学部メディア・デザイン学科の橋本順一教授が教鞭を執る「芸術表現学」では、株式会社伊藤園にご協力いただき、「若い世代のお茶との関係をリデザインせよ」をテーマに、日本文化のシンボルであるお茶と若い世代の関係性を再構築する方策を考えていきます。昨年度も株式会社伊藤園に協力していただき、学内に設置された自動販売機のリデザインに挑戦し、単に自動販売機のデザインを替えるのではなく、設置場所や販売方法など「売る仕組み」の再構築に取り組みました。4月27日(金)の授業では、まずお茶への理解を深めようと、伊藤園の方に講演を行っていただきました。

最初に登壇したのは、昨年も参加していただいた株式会社伊藤園町田支店長の海野卓也さん。海野さんからは会社概要やお茶市場についての説明がありました。お茶のイメージが強く、茶飲料のシェアでは最大手の伊藤園。お茶の飲料と聞かれて、まず「おーいお茶」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。そして現在はお茶以外の分野でも売上を伸ばし、大手飲料メーカーとして知られています。世界的な飲料メーカーや大手酒造メーカーといった競合他社がひしめく中、業界のトップ5に入る売り上げを誇っています。「世界のティーカンパニーが目標です」と語る海野さん。そうした中でも、若年層に対するアプローチが課題であると語りました。

続いて登壇したのはマーケティング本部の青木大さんです。青木さんはこれまでのキャリアの中で、ペットボトル飲料ではなく店舗での茶葉の販売などに携わってきたそうで、「ペットボトルのお茶が売上を伸ばす中、茶葉の販売売上は決して順調というわけではありませんでした」と、体験から語ってくれました。そうした中、クリスマスやバレンタイン商戦に挑戦したり、夏場にはアイス緑茶を提案してきたそうです。現在の部署に異動してからは、豊臣秀吉が行った“北野の大茶会”をヒントに全国各地でお茶に親しむイベントとして、大茶会の開催を企画しました。また、TVアニメとコラボレーションし、アニメの中に具体的な商品を出してもらうというユニークな試みも。こうしたさまざまな取り組みの紹介は、学生にとってもいいヒントになったのではないでしょうか。

授業の後半では、学生たちは美味しいお茶の淹れ方も伝授していただきました。急須を持っていない学生が多い中、数名の学生が青木さんの指導で、温度や抽出時間に注意しながら挑戦しました。教えていただいた通りに淹れたお茶の美味しさに驚く学生たちを見て、「コツさえ掴めば、美味しいお茶を淹れるのは簡単なんです」と青木さん。「抽出の適温は80℃ですが、寒い日であれば90℃でもいいと思います。また甘いお菓子に合わせるのであれば少し濃いめに淹れてもいい。その人の飲み方やTPOに合わせればいいんです」という青木さんの言葉を、学生たちは真剣に聞いていました。

こうしてこの日の授業は終了しました。学生たちはこの日聞いた話をベースに、自分たちでもお茶についてのさまざまな情報を収集し、若者にアピールするアイデアを練っていきます。
芸術学部で学ぶ「デザイン」と聞くと、グラフィックデザインやコーポレイト・アイデンティティをイメージしがちですが、デザインの守備範囲は多くの課題解決に適用できるほど広いものです。この授業を通して学生たちは、自分たちの学科名にも含まれている「デザイン」という文言の持つ意味を改めて認識するとともに、日本伝統文化についての知識を深めながら現代社会との関係性を考えていきます。この授業の今後の展開については、改めてお伝えしていきます。

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