日本語短期研修を終えたシンガポール国立大学の学生のために、リベラルアーツ学部生が修了式を企画。今年もたくさんのつながりが生まれました。
約3週間の日程で、玉川大学へ日本語短期研修に訪れていたシンガポール国立大学(NUS)の学生たち。語学研修だけでなく、書道や着物の着付け体験、さらには歌舞伎見学や鎌倉観光、ホームステイなど直接日本の文化に触れるたくさんのスケジュールを終え、今年も無事修了しました。そこで彼らのサポート役を担当してきたリベラルアーツ学部の学生が、修了式と送別会を企画。6月22日(金)に行われました。
リベラルアーツ学部のサポート生たちによってきれいに飾り付けられた会場に研修生たちが入場してくると、サポート生と教職員から拍手が沸き起こりました。3週間前と違い、リラックスした表情の研修生たち。開会のあいさつを行ったのは、リベラルアーツ学部長の八木橋伸浩教授です。「さきほどの日本語発表会でも、皆さんの熱意ある報告を聞き、感動しました。NUSの日本語短期研修も今回が6回目になるので、皆さんは玉川大学に来ていただいたNUSの6回生ですね。昨年参加してくれた方が今回は遊びに来てくれていますが、リベラルアーツ学部のみんなもシンガポールに出掛けていくといいでしょう。そうやって、このつながりが今後も続いてくれたらいいなと思います」。そして今回の研修の引率を担当したNUSの浜崎譲先生からは「日本語発表会の前日も学生の様子を見ていたのですが、一日でこれだけ日本語が上達するのかと驚きました。それぞれが来日して得た気付きを発表したので、充実した内容になったのだと思います。玉川大学とのこの交流が長く続くよう、私も微力ながら頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」という挨拶がありました。
そして修了証の授与が行われました。NUSの学生一人ひとりが名前を呼ばれ、八木橋先生から修了証と記念品を受け取ります。八木橋先生が学生の名前の読み方に苦労する様子からも、シンガポールという国が多様な民族によって構成されていることがわかります。
その後、国際教育センター長の大谷千恵准教授による乾杯が行われ、NUSの学生とリベラルアーツ学部の学生の歓談の輪がいくつも生まれました。また会場に貼られた研修中の写真を見ながら思い出話に花が咲いたり、皆で写真を撮る様子もあちこちで見られました。さらにリベラルアーツ学部の1年生でストリートライブをしている猪野太介さんによる弾き語りや、研修中の思い出をまとめたスライドショーなどもあり、会場は大いに盛り上がりました。
今回の日本語短期研修のサポート生の代表を務めた八木千里さん(3年)は「去年は撮影を担当する記録係として参加したので、今年は代表と同時に記録係もやりました。この研修を充実したものにするために、研修生とサポート生双方の意見に耳を傾けることを心がけました。昨年来日した研修生と今も連絡を取り合っているので、アドバイスをもらおうとしたら『去年はありがとう』と言われて、とても励みになりました。この経験を通して、人の動かし方など多くのことを学べたと思っています」と語ってくれました。
NUSの学生にも話を聞いてみました。「サポート生の自宅にホームステイした際に、家族の方にも親切にしていただいたので、ありがとうと言いたいです。シンガポールでは日本語を話す機会があまりなかったので、今回の研修でかなり上達したと思います(ティオ・トゥルマンさん)」。「書道体験や、小学校を訪問しての給食体験などが印象に残っています。またサポート生の皆さんが、自分たちも授業があるにもかかわらず、私たちの研修のために努力してくれたことに感動しました(タン・ジェイソンさん)」。
学生が研修で海外を訪れることのメリットはいうまでもありませんが、一方で自国を訪れた外国の人をもてなし、サポートするという経験も、これからの社会においては不可欠といえます。NUSの日本語短期研修は、玉川大学の学生にとってそうした経験をすることのできる貴重な機会となっています。