キャンパスの安全と安心をより強化し、健康を守り高める、保健センター健康院の竣功式が執り行われました。
9月10日(月)、保健センター健康院(以下、健康院)の竣功式が執り行われました。新しい健康院はこれまでの正門からの坂を上った場所ではなく、本部棟の隣に移転しました。ここは、かつてけやき食堂や大学金工室として学生が利用してきた場所です。昨年の7月に地鎮祭が執り行われてから約14ヶ月。玉川学園の新しい健康・医療の拠点が誕生しました。
この日の竣功式は、健康院の前に設置されたテントの中で行われました。竣功記念の修祓式を担当するのは、鶴間熊野神社の池田宮司です。雅楽の笙の音色が厳かに響く中、神事が滞りなく行われ、その後に関係者代表による挨拶がありました。最初に挨拶を行ったのは小原芳明学長です。「学園内に新しい施設が建つ際は、学生や生徒に大いに利用してもらいたいと願うものですが、この施設は少し意味合いが違います。ただ、最新の設備を整え、今後の拡張も見据えた施設となりました。この施設があることで、玉川学園の誰もが健康な毎日を送れることを願っています」。
そして竣功式終了後には、院内の見学が行われました。「健康院」という名称は、病気になってから行くだけではなく、健康を守り高めるために利用する施設という意味で創立者小原國芳によって名づけられました。この新しい健康院はその理念を継承し「玉川の健康をプロデュースする」をコンセプトに設計されました。治療に必要な設備を整えると同時に、救急出入口から診察室へのスムーズな院内動線にも細かい配慮が施されています。保険診療窓口とメンタルヘルスの相談窓口の入り口が分かれていることや、敢えて目線の高さには窓を設けず高い位置に明かり取り用の窓を設けることで、プライバシーを守るといった心配りも。
また、内部の施工ではK-12の生徒の有志が、労作として漆喰塗りに参加。今回生徒たちが取り組んだ壁は、健康院のカウンセリングルームの一部、待合室の上部と広範囲にわたります。ちなみに暖かな光を放つ受付カウンターのペンダント照明は、南さつま市坊津町久志の砂を原材料に、小原学長が自ら製作しました。そして外側に目を転じれば、レンガに覆われた外壁が、向かい合うKEYAKI(食堂)と美しい対を為しています。
さらに、竣功記念品は、10年生(IBクラス)が制作したバスボム・フローティングキャンドル・せっけんの3つのセットが配付されました。これは、デザイン・アートの授業の一環で生徒たちが保健センター健康院から連想される、「清潔感・heal=癒し」のイメージから竣功記念品にふさわしいものと検討を重ね、総務部のスタッフにプレゼンテーションをして記念品として決まったものです。せっけんには玉川らしくはちみつを使い、バスボムには、はちみつの香りと柑橘系の香りをブレンド。フローティングキャンドルにはポンカンの香りを調合しました。まさに保健センター健康院の新たな船出にふさわしい記念品となりました。
周囲の建物との調和を見せる健康院ですが、学園の健康と医療を司る場として、今後は今まで以上に重要な役割を担うことになります。健康院が位置するエリアにはキャンパス セキュリティ センターを擁する本部棟とKEYAKI(食堂)があり、それらに囲まれるようにパラソル広場があります。この場所は災害などの非常時にはそれぞれが指示(本部棟)、医療(健康院)の中心となり、防災拠点としての役割を果たすことが期待されています。また健康院単体で見てもキャンパスの中央付近に位置し、体育施設等からも近く、また東口(入校口)にも近いことから、生徒の怪我や病気に対して今まで以上に迅速な対応ができる体制が整いました。健康院が新しく生まれ変わり、玉川学園キャンパスの安心と安全が、より強固な体制になりました。