玉川大学・玉川学園Webサイト
IEサポート終了のお知らせ

玉川大学・玉川学園webサイトTOPページリニューアルに伴い、Microsoft 社の Internet Explorer(以下、IE)のサポートを終了いたしました。本学園が運営するサイトをIEで閲覧した場合正しく表示されない恐れがございます。
皆様にはご不便をおかけしますが、別のブラウザを利用しての閲覧をお願いいたします。

メディア・デザイン学科3年生キャリア研修: フジテレビ朝の人気番組「めざましテレビ」の番組を制作・収録し、プロの現場を体験

2018.11.07

10月20日、秋晴れの爽やかな土曜日に、東京・お台場のフジテレビ湾岸スタジオにて芸術学部メディア・デザイン学科のキャリア研修が行われました。この授業は3年生対象の必修科目で、フジテレビが提供する職業体験型プログラムを利用し、実際の番組制作・収録を通してプロの仕事を体験します。仕事の流れやそこに関わる人の多さ、チームワークの大切さなどを肌で感じて「社会とは、仕事とは」を知り、自分の将来を具体的にイメージできるようにすることが目的です。

学生たちは約30人ずつの3つのグループに分かれ、フジテレビの朝の番組「めざましテレビ」、その “玉川大学バージョン”を制作しました。お天気コーナー、朔風館(食堂)・大学教育棟 2014「ラーニング・コモンズ」・小原記念館の3か所についての取材VTR紹介、CM、めざましテレビと同じように「きょうのわんこ」「めざまし占い」という流れで約12分の番組の生放送を体験します。制作された3本の番組は最後の上映会で披露され、フジテレビの方々の審査で各部門の優秀賞、ベストグループ賞などが決まります。

この研修には事前授業が4回あり、1回目はフジテレビジョン編成局制作センターの森山俊輔専任次長を講師に迎え、イントロダクションとして報道番組の意義とその制作過程を詳しく説明していただきました。2回目と3回目は現役ディレクターの方が各グループに1名ずつつき、技術面において報道原稿の作成、撮影ロケ準備、学内撮影ロケを指導。ラーニング・コモンズと小原記念館では学生がそれぞれの職員に取材をしました。4回目は再び森山氏が来校され、各グループの一人ひとりの役割決めを行いました。スイッチャー、タイムキーパー、音響、カメラ、フロアディレクター、ナレーター、キャスター…たくさんの役割がある中で、どのグループもキャスター決めが多少難航したものの、無事に当日を迎えました。

小原記念館見学の様子
ディレクターの方による撮影指導
念入りなミーティング
森山氏からスタジオ機材等の説明を受ける

研修は13時にスタート。森山氏から「生放送は時間を止められません。1回ミスをすると連鎖しますので、グループで力を合わせ、緊張感を持って臨んでください」とお話があり、この研修を指導するメディア・デザイン学科 橋本順一教授からも「誰か1人でも欠けたら成り立たない、それを体感してください。いい番組を作ってください」とエールが送られました。まずはグループ1からリハーサル&本番に入ります。他の2グループは、グループ1の本番見学とバックヤードツアーに分かれました。バックヤードツアーでは収録スタジオや、ドラマやバラエティをはじめとする人気番組の大道具が置いてある倉庫を見学しました。

リハーサル&本番は約70分のタイムスケジュールで進みます。最初に自分の仕事を覚え、パートごとに練習を繰り返してから通しリハーサル。リハーサルでうまくいかなかった部分を修正し、本番となります。事前学習に来校していただいたディレクター3名に加えて当日はインストラクター10名が先生となり、どのパートも徹底レクチャー。模擬スタジオと言えど使用している機材はすべて本物。「このカメラ、値段いくらすると思う?」「250万円くらいですか?」「ケタがひとつ違います。2500万円」などといった会話も聞こえてきます。高価な機材に最初はこわごわと触っていた学生たちですが、丁寧な指導のもと練習を重ねるにつれ、手元がしっかりとして眼差しも真剣に。キャスターやナレーター役の学生たちも、ゆっくりだと話し切れない、かといって早すぎると時間が余るというジレンマに悩みつつ、「もっと元気にはっきりと」といった要求に一生懸命応えていました。

リハーサルではカンペが違ったり、音が小さかったりといったハプニングを乗り越え、いよいよ本番。「みなさん、いいですか?本番ですよ!」という声がかかった途端、雰囲気がピシッと引き締まり、緊張感が高まります。「本番1分前、よろしくお願いします!」「10、9、8、7、…3、2、1、スタート」とサブコントロールルームに響くタイムキーパーの声。オープニングムービーの後、「おはようございます!」と3人のメインキャスターの元気な挨拶で番組が始まりました。

10秒以上残して原稿を読み終えてしまったり、無言のスタジオになってしまったり、テロップを出し間違えたりしながらも、無事、本番終了。約12分の番組ですが、事前の取材やロケ、台本作りなどにとても時間がかかること、本番での自分のちょっとしたミスが番組の出来を左右すること、そして、多くの人が関わってはじめて一つの番組ができることを実感したのではないでしょうか。

上映会での講評では、「原稿を書いたりロケハンしたり、一つひとつの作業が実を結んで番組になります。サブの人たちは、各作業は小さいパーツかもしれません。でもそれが全部連携して番組になる、それを実感してくれたと思います。テレビ番組の裏側ではプロが24時間頑張っていると感じてもらえたなら嬉しいです」とのお話がありました。

この研修では、広大な自然豊かなキャンパスを事前に自分たちで取材、ビデオ収録した素材を利用します。大学のことをより深く知り、芸術学部ならではの映像を駆使して、本番では全員が何かしらの役割を担って番組制作に臨むユニークな研修は、同時に、大学3年生という自分のキャリアプランを考える時期の貴重な体験の場でもあります。学生は、必ずしも報道、映像の仕事を志望しているわけではありませんが、どのような仕事であれ、自分が学んでいることがどう社会で活きるのか、プロの仕事の厳しさとやりがい、そして難しさの奥にある楽しさを、身をもって知る1日となりました。

番組内容

  • グループ1

    キャスターの裏話から始まる台本を用意し、ラーニング・コモンズを「ボッチの人でも利用できる施設」として紹介。「これが本当のめざましテレビだったら大変でしたね」「それにしてはよくできていた方じゃないでしょうか」と、軽妙な掛け合いの中にシニカルさが漂う内容となっていました。

  • グループ2

    大学のコスモス祭が近く開催されることを最初にPRしました。お天気コーナーでは、今年の秋注目のベイクドカラーを取りあげ、トレンドカラーに身を包んだ学生が登校するVTRにのせ豆知識として紹介。小原記念館では展示について、タッチパネルやAR(スマホをかざすと校歌が流れる)で楽しく玉川学園の歴史を学べることをアピールしました。

  • グループ3

    3人のメインキャスターとお天気キャスターは、4人全員男子学生でそろえました。朔風館では、からあげ丼を取りあげ、選べるソースの中から人気第1位の南蛮醤油タレを紹介。小原記念館のVTRでは記念館周辺のインスタ映えする場所にスポットを当てました。最後に小原記念館内の創立者の揮毫、一画多い「夢」という文字に注目。小原國芳の1つでも多くの夢をもってもらいたいという願いが込められていることを伝えました。

編成局制作センター専任局次長による講評と結果

ベストグループ賞

グループ3

「VTR作りへのこだわりが随所に見られ、実際の放送でも使えるアイデアがたくさん詰まっていました。全体的に良くできていたと思います」

優秀賞

お天気コーナー
グループ2、グループ3

「グループ2は洋服の豆知識を入れたのがいいですね。視聴者に新たな発見を提供することは、番組に必要な要素です。それと同時に登校中の学生の映像を流したのも良かった。学生の服装をアップにしたら、もっと良くなったかもしれませんね。グループ3は、映像にこだわりがありました。マツボックリやドングリ、栗のイガなど豊かな自然の映像で秋を演出していました」

朔風館VTR
グループ3

「からあげ丼のアップはおいしそうでしたね。試食後の『ベリーデリシャス、ベリーベリーデリシャス』の掛け合いも面白かったです」

ラーニング・コモンズVTR
グループ1

「ボッチの彼でも利用できる施設、というテーマが一貫していてこだわりがありました。ボッチの彼と、彼に突っ込みを入れる彼女の2人のレポーターの掛け合いも良く、面白いVTRに仕上がっていました」

小原記念館VTR
グループ3

「レポーター登場のカメラワークがとても凝っていて、実際に放送できるような映像に仕上がっていたと思います。小原記念館の夢という文字に着目したアイデアもいい。夢の文字の点が2つあることを紹介したとき、その部分をズームアップしたらもっと良よかったですね」

台本
グループ1

「強制的に連れてこられた、というシニカルな台本が良かったです。アイデアとして面白かったです。『ここに来られて嬉しい』という流れになることがほとんどですが、そこを敢えてそうじゃなくしたのがいいですね」

キャスター賞

グループ1 新井健悟さん
グループ1 大澤あづみさん
グループ3 林佑樹さん

「新井君はとても上手でしたね。大澤さんとの掛け合いも楽しかったです。林君は声とラーニング・コモンズのレポーターも良かったです」

ナレーター賞

グループ1 遠藤有紗さん
     (めざまし占い)
グループ3 根本桜子さん
     (朔風館)
グループ3 山口和音さん
     (小原記念館)

「遠藤さんはプロかと間違うほど上手でした。グループ3の朔風館と小原記念館がVTRで賞を取れたのは、映像が良かったのももちろんですが、根本さんと山口さんの2人がナレーションを担当したからだと思います」

感想:山口和音さん

ナレーター賞をいただけるとは思っておらず、とても光栄です。練習時間は短かったですが、VTRの雰囲気に合わせられるよう頑張りました。お天気コーナーでは映像を担当し、そちらでも褒めていただけて嬉しいです。映像のゼミを履修しているので、その成果を出せたと思います。今まではテレビ局の裏方志望でしたが、今日ナレーターを経験し、そちらの世界にも興味が湧きました。

シェアする