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親子間のコミュニケーションのあり方とは?本学カウンセラーによる保護者向け「親学講座」を開催。

2019.03.11

玉川学園K-12父母会では、学内外の先生方や各界で活躍されている方を招き、子育てや教育に関する保護者の皆様向け勉強会、「親学講座」を毎年企画・開催しています。本年度3回目の親学講座は1月25日(金)に、本学園スクールカウンセラー倉田知子先生による、「いまどきのコミュニケーション、いまさらのコミュニケーション、そしてリラクセーション」と題した講演が行われました。

玉川学園では健康院だけでなくK-12の各ディビジョンでカウンセリングを実施していますが、倉田先生は臨床心理士、臨床動作士、臨床発達心理士の資格を活かし、幼稚部から12年生までのカウンセリング、心の授業などを担当しています。また学外でも「本郷メンタルサポートさぷる」を主宰し、カウンセリング、心理研修セミナーや対人援助職向けメンタルヘルスセミナー、また児童生徒へのストレスマネジメントセミナーの講師など、幅広く活躍しています。

この日の親学講座にも、多くの保護者の皆さんが集まりました。
「高学年校舎が完成した2006年、校舎の1階にカウンセリングのための相談室が設置されました。当初は週に数日だったのですが、2017年からはカウンセラーが常駐するようになりました。これは必要に迫られてというよりも、先生方が臨床心理士の役割を理解してくださったからだと感じています」と倉田先生。カウンセリングに加えて活動の大きな柱となっているのが、児童生徒に対する授業です。「計算する力を付けるために算数の授業があるように、心の力も付けてもらいたいと思い、心の授業を行っています。1-4年生には、短い時間の授業を数回続ける、9-12年生には、年に3回、学期の節目に授業を行ったり礼拝の時間を利用してお話したりするなど、学年によって工夫しています。私たちは学校のカウンセラーなので、お話の中心となるのは成長を促進する内容です」。そうした経験から、子育てもカウンセリングと共通する部分があると語る倉田先生。「自転車やブランコを子供たちが練習するとき、親は後ろから支えたり、背中を押したりしますよね。でもそれはあくまでも子供たち自身のこぐ力を後押ししているだけです。それは子育ての大切な考え方であり、カウンセリングの考え方でもあります」。

そして倉田先生の話は子供同士や親子間のコミュニケーションにもおよびました。携帯電話の普及により、親世代が子供だった頃よりも、子供の様子が分かりにくい時代になっています。また、子供たちにとってもSNSの普及により友人関係の切れ目がなくなるなど、心的疲労を感じる場面も少なくありません。「特にメールなどの文面では真意と異なる受け取られ方をされることも多く、それによって友人関係が壊れるといったこともあります」と倉田先生。「子供たちはコミュニケーションにおける適切な距離がまだ掴めていないため、相手がどのように感じるのかを深く考えず発言したり、メールを送信してしまいがちです。親御さんがお子さんのことを気に掛け、積極的にコミュニケーションを取ることが、今の時代は特に重要なのではないでしょうか」。カウンセリングで大切なことは、相手の心を理解すること、そして、相手に自分の心を理解してもらえたという実感を持ってもらうこと、と倉田先生は語ります。「話をしている中で混沌とした気持ちと向き合い自分の気持ちを整理する体験、その気持ちを相手に受け入れられたと感じる体験は、相手とのコミュニケーションにつながります。それがコミュニケーションの原点だと感じています」という倉田先生の話に、多くの保護者の皆さんが聞き入っていました。

講演の後半は、自分の心と向き合うためのリラクセーションなどを、参加者が実際に体験しました。また、二人一組になり心地よい寄り添い方も体験しました。両肩を包み込むように手をのせる体験、横から肩に手を添える体験などです。手を添えられた人からは、「ちょっとした触れ方や力の入れ方の違いでも、感じがずいぶん違う」といった感想が聞かれました。こうしたことも、子供とのコミュニケーションに活かせることでしょう。

講演や実体験など盛りだくさんの内容でしたが、2時間があっという間に感じられた今回の親学講座。「豊かなコミュニケーションは、豊かな感情を育む」という考えに基づいた倉田先生のお話の中には、子供とのコミュニケーションにすぐに活かせるアイデアがたくさんあり、保護者の皆さんにとっても有意義な時間となりました。

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