伊藤園との産学連携教育で、芸術学部の学生が若い世代に向けたお茶の販売方法について考えていきます。

2019.05.22

芸術学部メディア・デザイン学科の橋本順一教授が担当する3年生の授業「芸術表現学」では、毎年株式会社伊藤園にご協力いただき、産学連携教育に取り組んできました。一昨年は自動販売機のデザイン再構築、昨年は若者にお茶をもっと飲んでもらうための施策といった課題を与えられ、学生たちが企画を立案し、プレゼンテーションを展開。学生らしい自由な発想による提案は社内でも注目されているそうです。今年も4月19日(金)に伊藤園の方をお招きし、課題のオリエンテーションとなる講演を行っていただきました。

毎年講演を担当してくださるのは、株式会社伊藤園町田支店長の海野卓也さんです。玉川学園も町田支店の担当エリアであり、キャンパスにも頻繁に訪れているとのこと。そんな海野さんからの「自分でお茶を淹れたことがありますか?」という問いに対して、手を挙げた学生はごく少数。ペットボトルの茶飲料は学生たちも日頃から飲んでいますが、急須を使ってお茶を飲む習慣は定着していないようです。海野さんからは茶産地育成事業など現在の伊藤園の取り組みや、抹茶を中心とした世界的なお茶ブームなどに関するお話があり、学生たちは真剣に聞き入っていました。

続いて登壇したのは販売促進部の青木寛史さんです。青木さんからは、今回の課題である「お茶の販売方法を考える」が発表されました。具体的には「スーパーマーケットにおいて、価値を高めながら若い世代にお茶を販売する方法」、「店頭POP(Point of Purchase:購買時点広告)の提案」、「町田市でお茶を広めるための方法」について考えてもらうという3つの課題です。これらの課題をより深く理解してもらうため、お茶市場の状況の説明に加え、伊藤園がこれまでに行ってきたさまざまなセールスプロモーションの施策などが紹介されました。スーパーマーケットでのキャンペーンや大茶会の開催、スポーツ大会への協賛、子供向けの啓蒙活動、販売員向けの勉強会など、これらの中にも、提案のヒントがあるかもしれません。「現在、急須のある家庭は50パーセントを切っているというデータがあります。その一方で700円以上の高級茶や抹茶の売り上げが少しずつ伸びていたり、働く女性の増加でマイボトルにティーバッグで淹れたお茶を持ち歩く需要が増えているといった好材料もあります。私たちの施策も参考にしていただいた上で、皆さんのお力をお借りしたいと思います」という学生たちへのメッセージで、青木さんのお話は締められました。

最後に登壇したのは、青木さんと同じ販売促進部の向井陽一さんです。向井さんのテーマは「美味しいお茶の淹れ方」。まずはお茶の歴史や日本への広まり方、日本で生産されているお茶の種類などお茶についての知識を深めるところからお話が始まりました。その上で、正しいお茶の淹れ方の説明がありました。「湯量、茶量、湯温、そして抽出時間が重要です」と向井さん。正しく淹れることで、アミノ酸(うまみ)、カフェイン(渋み)、カテキン(苦み)のバランスの取れたお茶になるのだそうです。
一通り説明が行われた後、数名の学生が実際にお茶を淹れてみました。向井さんのアドバイスに従ってお茶を淹れる学生たち。自分たちが淹れたお茶を飲んでみて、「普段飲むお茶とは全然違う」、「淹れる人によって、お茶の味も色も変わってくる」といった感想が聞かれました。

講演の終了後には質疑応答の時間がありました。「お茶に砂糖を入れて飲む国はありますか?」、「同じ緑茶でも、生産地によって味に違いは生じますか?」、「生産年によって味は変わりますか?」、「商品についているおまけに、女性向けグッズが多い気がするのですが」など、さまざまな質問が学生から寄せられ、その一つひとつに伊藤園の皆さんが丁寧に答えてくださいました。

この日の授業で、お茶に対する知識を深めるきっかけを得た学生たち。翌週からは学生同士でお茶について掘り下げていき、最終プレゼンへとつなげていきます。学外の方に対するプレゼンテーションは、学生たちがこれまで授業の中で磨いてきたクリエイティビティを実際に評価してもらう、絶好の機会です。まずは健康や日本文化、現代社会とお茶の関係を調べることからスタート。学生たちが、身近でありながらこれまで深く考えては来なかったであろうお茶との関わりについて、どのような提案を行うのか、今から楽しみです。この授業の今後の展開については、改めてお伝えしていきます。