ドレクセル大学生と玉川大学生で共同授業を開催。高齢化社会における課題についてまとめ、発表を行いました。

2019.10.07

アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアに位置するドレクセル大学から、短期留学生が9月9日(月)に来園。玉川大学で共同授業を開始しました。1891年に設立されたドレクセル大学はSTEM(科学、技術、工学、数学)分野で高く評価される一方で、当初から芸術教育にも注力するなど、玉川大学との共通点が多い大学です。玉川大学との交流は、アメリカで行われた桜祭りに芸術学部の学生が参加したことからスタート。毎年、交互に米国と日本で授業を開催し、2019年度は玉川大学にドレクセル大学の留学生がやって来ました。
本年度は9日間と短い日程ながら、留学生たちは都内の医療施設や美術館を訪問したり、また茨城県石岡市の祭に参加したりホームステイをしたりと、さまざまなことを体験。また玉川大学の学生とグループを組んでフィールドワークにも挑戦しました。さらに期間中は本学の芸術学部の先生方を中心にドレクセル大学の教授たちと研究交流も行うことができました。
共同授業最終日となった17日(火)には大学教育棟 2014内のアカデミック・スクエアを使用して、研究成果のプレゼンテーションを行いました。ここでは各グループの発表内容を簡単にご紹介します。

  • グループ1. テーマ:Accessibility of National Monuments  Japan vs America

    私たちは日米における国定公園や歴史的建造物のバリアフリーの状況について、調査を行いました。実際に鎌倉の鶴岡八幡宮や高徳院を訪問し、段差の有無やエレベーターの設置状況などを確認。またリンカーン記念堂や自由の女神、フィラデルフィアの独立記念館などアメリカの施設における状況についてもネットを使って調べました。調べてみると、日本の多くの施設でエレベーターはもちろん傾斜路も付いていないことが分かりました。古い建造物へのエレベーター設置に関しては工法的な問題だけでなく、景観を損ねるといった意見もあり、なかなか進んでいません。ただ、日本では寺院建築の意匠性に合わせたエレベーターも設置されている事例があり、可能性はあると感じました。また、今後はVRなどの技術も活用すべきということを、動画を使って紹介したいと思います。

  • グループ2. テーマ:Awareness / Education & Aging

    私たちは「高齢化や介護について知識・関心を持つこと」について考えました。千葉県松戸市では認知症サポータ養成講座を受講した人を「オレンジ声かけ隊・協力員」として認定し、日常の中で手助けが必要な高齢者を見かけた際に声をかけ、支援を行うといった取り組みをしています。こうした活動を広報などで知った若い世代がどのように活動し、また自身が高齢者となった際にどんな支援を受けることができるのかを、実際に私たちが演じることでご紹介したいと思います。

  • グループ3. テーマ:Robots & Japanese Healthcare

    私たちのグループでは、ロボットと日本人の健康管理について考えました。高齢化が進む日本にあって、高齢者の認知症の割合は現在13%で、2025年には20%まで上昇すると言われています。介護向けロボットへのニーズも高まっており、ペット型からヒト型までさまざまなタイプが開発されていますが、ロボットが介護者不足解消の一助となり、高齢者のQOL(Quality of life)向上にも寄与するとの結論に至りました。どのような状況及び状態の高齢者には、どのようなロボットが向いているのかを、最後にシミュレーションしてご覧に入れたいと思います。

  • グループ4. テーマ:It is hard for elderly people to use public transportation

    私たちのグループは、高齢者が公共交通機関を利用する際に生じる困難について考えてみました。日常的な外出から旅行に至るまで、高齢者の方々は移動に困難を感じています。特に日本においては、アメリカと比較して高齢者の公共交通機関利用率の高い点が特徴です。ここでは実際に私たちのメンバーが高齢者に扮し、シルバーパスを利用して移動する様子を演じてみたいと思います。こうした苦労をコスト面からもサポートするためには、ショッピングモールとタクシー会社が提携して割引を行うといった施策が考えられます。また介護福祉士や看護士育成の学校と連携することで、双方にとってメリットが生まれる、といったことも考えられるのではないでしょうか。

  • グループ5. テーマ:Life Prolonging Treatment

    私たちは延命治療について調査を行いました。まず、日米の社会保障制度の比較を、高齢者とそれ以外の人々に分けて考察。その上で認知症やリハビリテーション、遺言制度などについて比較検討を行いました。認知症の状況など似ている部分もありますが、リハビリテーションについては日本のほうが時間を要したり、延命治療に関わる遺言の重要性についても日米で差が見られました。

それぞれのグループの発表において、動画で紹介したり寸劇を取り入れるなど、分かりやすさに配慮した工夫が随所に見られました。発表はすべて英語で行われ、本学の学生もしっかりと英語でのプレゼンテーションを披露しました。またドレクセル大学の学生の多くは浴衣を着用。プレゼンテーションの前には本学の学生が着付けを手伝うなど、この9日間で深まった交流の様子が見て取れました。こうして本年度の共同授業は終了。来年度は、玉川大学の学生がドレクセル大学を訪れる予定です。双方の国で交互に授業を行っていくことで、より交流が深まっていくことに期待します。