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FC町田ゼルビアとの連携授業で、教育学部の学生が身体の測定法を学修。その重要性について学びました。

2019.12.20

11月15日(金)、玉川大学教育学部の山田信幸教授による授業「体育測定評価」では、FC町田ゼルビアのフィジオセラピスト(メディカルアドバイザー)齊藤和快氏をお招きし、特別講義を行いました。FC町田ゼルビアとトップパートナー契約を締結している玉川学園ではこれまでもK-12や大学で、さまざまな教育連携を行ってきました。今回は初の試みとして、プロスポーツの現場での計測法を、実際のフィジカルアドバイザーから教わります。「体育測定評価」は教育学部教育学科で開講している授業ですが、今回の受講者は保健体育専攻の学生が中心です。

齊藤氏はJリーグの清水エスパルスで理学療法士として活躍し、メディカルチーフも務めた後、リハビリ病院に勤務。現在はフジ虎ノ門整形外科病院でスポーツリハビリテーションセンターのセンター長をされながら、フィジオセラピストとしてFC町田ゼルビアの選手のサポートも行っています。
この日の授業を履修する学生は保健体育専攻の受講者が中心ということもあり、現在も運動部に所属していたり、過去にスポーツの経験がある学生ばかり。そんな学生たちに向けて齊藤氏が指導するのは、形態計測と簡単な運動機能テストです。
「私はこれまで怪我をしたスポーツ選手が社会復帰できるように、身体のケアや、速く走るにはどうすればいいかといった指導を行ってきました。スポーツ選手の社会復帰が一般の人と大きく違うのは、とても高いレベルまで回復させなければいけない点です。また、怪我の程度だけでなく、どのようなスポーツに復帰するのかでケアの方法も変わってきます。一口に『走れるようにケアする』といっても、マラソンとサッカーでは使う筋肉も違ってきますよね。もっと言えば、同じサッカー選手でもポジションや特性によっても違ってきます。今回皆さんに経験してもらうのは、身体の各部位の形態計測です。計測に当たっては、相手がプロスポーツ選手でも子供でも、同様に注意しなければいけない点があります。それを理解し、正確に形態計測を行うということは、怪我を予防するために身体の状態をきちんと確認するということなのです」。

そう語る齊藤氏は、最初にわかりやすいO脚かX脚かを確認する方法を指導しました。学生が立った状態で両方の内くるぶしをきちんとつけ、膝部分がどれだけ離れているのかを、別の学生が指を入れて計測します。指が3本以上入る場合はO脚だそうです。

続けて齊藤氏は上肢・下肢の長さや大腿の太さなどの計測法を指導。学生たちは二人一組になり、メジャーを使って測っていきます。

メジャーで測るというのはとてもシンプルな方法ですが、期間をおいて再度計測すれば、その変化で状態が分かります。またスポーツ経験者は手足の左右の長さ・太さに差があることが多く、それを知ることも重要。だからこそ、正しい計測法を身につけることが大切なのだそうです。
「左右で長さや太さに差が出るということは、主に筋肉の量に差があるということになります。たとえばサッカーの試合で、前に立っている相手チームの選手のふくらはぎの太さが左右で違っていた場合、太いほうが利き足ということが分かりますよね。また細いほうの足ではターンが遅いかもしれない。ヘディングだってその足では踏み切らないかもしれない。そんなことも判断できますよね」。ただ、それはスポーツ選手の話であって、もし子供たちの手足を見たときに明らかに太さが違えば、何か問題があると考えるべき、と齊藤氏は続けます。

「皆さんが社会へ出て、たとえば子供たちやお年寄りの身体を見る場合、そうした違いに気付くことがあるかと思います。その点を指摘して病院などへ行くように薦めてくれるだけでも、ケガや病気のリスクが減っていきます。本人はもちろん我々医療の人間にとっても、早い段階で見つけてもらうことがとてもありがたいのです。皆さんがそういう役割を担ってくれれば、私たちもとても嬉しいです」。

この授業を履修した学生にも話を聞いてみました。「私は将来スポーツ関係の仕事に就きたいと考えており、この授業を履修しました。現在はサッカー部に所属しています。これまでもこの授業で体脂肪率などを計測してきましたが、サッカー選手であればどの程度の数値がいいのかというように、学んだ知識を実践することができています。今日の授業も計測法だけでなく、それをどう活かせばいいのかまで学ぶことができ、とても参考になりました。特にサッカー選手の見た目からプレーの特長をイメージするという方法は、ぜひ試合の時に取り入れたいですね(3年・男子学生)」。

今回の授業で、身体の各部分の計測法を具体的に学んだ学生たち。また齊藤氏のお話からは、教育者・指導者として身体の変化を把握することが指導面にも活かせるなど、その重要性に気付かされた貴重な機会でした。

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