日程は短縮されても内容は充実。臨時休校前に開催された5〜8年生の玉川学園展。

2020.03.30

5~8年生の玉川学園展が、2月29日(土)に開催されました。
玉川学園(K-12)は、政府からの新型コロナウィルス感染症対策のための臨時休業要請に基づき、3月2日(月)から臨時休校となりました。玉川学園展も当初は29日からの2日間を予定していましたが、1日のみに変更。口述発表は中止となり、演奏などの発表も回数を減らして行われました。またご家族の方のみの公開とし、校舎の入口で生徒たちが来場者にアルコール消毒液の使用をお願いしたり、教室展示でも窓を開けて換気に努め、発表の会場もより大きな教室に変更した上で座席の間隔を空けるなど、感染予防に最大限の配慮を行った上で開催されました。

玉川学園展は1~4年生(低学年)と5~8年生(中学年)でそれぞれ行われます。1~4年生が教科学習の発表に重きを置いているのに対し、5~8年生の玉川学園展で中心となるのは自由研究での発表です。自由研究とは玉川学園が創立当初から謳っている自学自律の精神のもと、生徒一人ひとりが興味を持ったテーマについて1年間をかけて取り組む探究型学習のこと。1~4年生で培った興味や好奇心を、研究という形で深く掘り下げていきます。本年度の玉川学園展のテーマである「夢につなげよう」にも、研究を深めていく過程で将来の夢や目標につながるものを見つけてほしいという意味が込められています。
それぞれの教室では、さまざまな研究の成果が披露されました。研究活動はミュージカルを行う「英語劇」や楽器の演奏を行う「吹奏楽」などでも行われており、例えば「ムーブメント」でも単に役を演じるのではなく、事前に登場人物の分析や歴史的背景の研究に取り組み、それらを理解した上で役作りに取り組んでいきます。どの自由研究も研究結果や成果物の展示・発表で終わらず、そこに至るまでの過程も紹介することで、生徒たちがこの1年間どのように取り組んできたのかが理解できる内容になっています。

当日の口述発表は中止となりましたが、モニターが設置された教室ではあらかじめ録画された発表の様子が映し出されていました。またスターレックドームでの「天文」のように、発表する生徒と座席の距離が離れている場合では口述発表を実施。3Dプラネタリウムの機能を活かしたプレゼンテーションが披露されるなど、生徒たちの1年間の頑張りを無駄にしないためのさまざまな工夫が施されていました。

児童・生徒たちは自由研究を通して一つのテーマに粘り強く取り組むことを学びます。1年ごとにテーマを変えることもできますが、多くの児童・生徒は、さらに高い目標を設定し、次年度以降も継続して研究を行っています。そこで先生たちも、年次に合わせた指導を心がけています。例えば「調理」では、5年生はまず興味のある国や地域の料理について調べることからスタート。翌年はそこから発展し、その土地で収穫される食材について掘り下げ、その食材を使用した料理のレシピについても研究します。ハワイに興味を持った生徒がアボカドに着目し、それを使用したレシピを開発するなど、生徒たちは自身の興味を出発点に、調理や栄養、文化などの研究を行っていました。
玉川学園では、このように自ら学び、知識を得ていく自学自律の精神を1年生から12年生まで一貫した教育で育んでいます。1~4年生では日々の調べ学習や口述発表を通して、9年生では課題に対し思考力表現力を駆使していかに相手に伝えるかを学ぶ「学びの技」によって身につけていきます。そして10年生からのカテゴリー別の自由研究に繋げます。

自由研究のもう一つのメリットとして、「学年を超えた学びの場」であることが挙げられます。下級生は上級生の研究に取り組む様子を参考にし、また上級生も下級生を指導することで自身の研究を振り返る機会となっています。学園展では優れた研究に対して金賞、銀賞、奨励賞を授与していますが、5年生や6年生でこれらを受賞している生徒も少なくありません。これも、上級生の研究から学んだ成果ではないでしょうか。

残念ながら本年度の学園展は、規模を縮小しての開催となってしまいました。けれどもそこで披露された研究発表には、生徒たち一人ひとりの1年間の足跡が、はっきりと刻まれていました。彼らはこの1年を土台にして、来年度もさらなる研究に取り組みます。そんな「未来につながる夢」を見ることができた学園展でした。