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自由研究サンゴ班とサンゴ研究部の生徒たちがサンゴの株分けに挑戦。本年度の飼育が本格的に始まりました。

2020.10.13

2011年度から、中学年以上の生徒たちが自由研究のテーマの一つとして取り組んできたサンゴ研究。約10年にわたる研究活動の中では、譲り受けたサンゴを飼育して海へ移植したり、日本サンゴ礁学会でのポスターセッションに参加するなど、さまざまな成果を上げてきました。また2019年度からはサンゴ研究部としての活動もスタート。2020年度は新型コロナウィルス感染症拡大の影響もあり、校内に集まっての活動がなかなかできませんでしたが、9月に石垣島のサンゴ100株を購入。同25日(金)には研究施設に自由研究とクラブ活動の生徒が集まり、サンゴの株分け作業を体験。今年度のサンゴの育成が本格的に始まりました。

玉川学園でのサンゴ研究は、閉鎖環境での水循環システムを活用して行われています。この日はこのシステムで使用する海水や水槽を扱っている(株)エムエムシー企画レッドシー事業部の皆さん、サンゴ専門誌コーラルフリークスにたびたび登場されるサンゴ陸上養殖の第一人者であるネオウェーブ阿久根直之氏、機材を提供してくださっている西松建設(株)の皆さんも参加。西松建設は「国際サンゴ礁年2018オフィシャルサポーター」として、2018年に玉川学園と産学連携協定を締結。CSR活動の一環として、玉川学園と協働でサンゴの飼育や研究、移植活動を行っています。

現在、授業では新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としてさまざまな配慮がなされています。今回のサンゴの株分けも、自由研究に参加している生徒は密な状況を作らないように、中学年と高学年に分かれて作業に臨みました。

まずは高学年生担当の今井航教諭から概要の説明がされたあと、レッドシーの加藤さんからサンゴの生態についての説明がありました。サンゴの種類や、サンゴの健全な育成に欠かせないカルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどの主要元素の解説など、これからサンゴを飼育する生徒にとっては、重要な情報ばかりです。また、サンゴはヨウ素を加えるとピンク色に、軽金属を加えると緑色に変色するといった話を興味深くノートに書き留める様子も見られました。「サンゴ飼育で大切なのは、さまざまな成分を過不足なく加え、維持することです。何よりサンゴは生き物ですから」という加藤さんの言葉に、生徒たちは真剣に耳を傾けていました。

その後、実際に株分け作業を体験してみます。指導を担当していただいたのは、ネオウエーブ阿久根さんです。サンゴを電動のこぎりで適当な大きさに切り分け、それを台座に接着し、水槽に入れていきます。中学年担当の市川信教諭によると、株分けされたサンゴが伸長することよりも、台座を包むように成長することのほうがこの株分けでは重要であるとのこと。「サンゴの根となる部分が成長することで初めて、海へ移植することができるのです」と市川先生が説明します。約半年で海へ移植できる程度まで成長するそうで、これからの飼育・観察が非常に楽しみになります。

また、自由研究のサンゴ班やサンゴ研究部に所属する生徒たちは、サンゴの飼育を行うと同時に、各自で設定したテーマに基づいて研究活動を行っていきます。今回参加した生徒にも話を聞いてみました。

「昨年度サンゴ研究部が創設されたことで参加しました。サンゴの飼育には水質検査を常に行って適正な数値を維持することが重要です。難しい作業ですがやりがいがあります。今後は水の流れがサンゴの成育にどのように影響するのかを研究していきたいですね」。(サンゴ研究部 7年生 櫻田光太郎さん)

「もともと海が好きだったのでサンゴの自由研究を選びました。サンゴは環境ストレスなどにより、体内の褐虫藻(かっちゅうそう)を放出する“白化”という状態になります。この状態が長く続くとサンゴは死んでしまうので、どうすれば白化を元に戻せるのかを研究したいと思っています」。(自由研究 11年生 廣本渚紗さん)

「本年度はなかなかサンゴに触れる機会がなかったので、これまでの研究を振り返ったり実験計画を立てたりしていました。蛍光サンゴの仕組みに興味があるので、その分野を深く掘り下げようと思っています。大学へ進学しても、こうした研究に携わりたいですね」。(自由研究 11年生 霜田空羽さん)

霜田さんも語っていた通り、これまで個人での研究を中心に行ってきた本年度。沖縄でのフィールドワークなども実施することができませんでしたが、残りの期間で各自がサンゴに触れながら研究を進めていきます。彼らの研究がどのような成果を上げるのか、今からとても楽しみです。

右手の「3」と左手をパッと開いて、3(さん)と5(ご)で「サンゴ」のポーズ!

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