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「データビジネス創造コンテスト」で、12年生が部門賞を受賞。大学生と同じ舞台で、データ解析、プレゼンなど多くの経験ができました。

2020.11.04

慶應義塾大学SFC研究所 データビジネス創造・ラボが主催する「第11回 データビジネス創造コンテスト 〜Digital Innovators Grand Prix(DIG)11〜」に、玉川学園12年生のチームが出場。高校生で唯一予選を突破し、9月5日に行われた本選で見事に高校生部門賞を受賞しました。

このコンテストは、大学生や高校生がデジタルの力を使って課題にチャレンジするというもの。与えられた資料を分析したり、より自分たちの提案に具体性を持たせる際に、データ解析や統計学の知識が必要になります。今回このコンテストに出場した7名の12年生は、全員が斯波恭平(すわ きょうへい)教諭の指導する選択授業「データサイエンス」の履修者。日頃学んでいるデータ解析の知識を活かして、コンテストの課題に取り組みました。この今回の取り組みについて、斯波先生と生徒の代表者2名から話を聞きました。

第11回となる今大会のテーマは、「創り手と読者をつなぐコミック出版戦略 〜売上データから見る新しい視点のマーケティング提案〜」。従来の紙媒体だけでなく、電子書籍が売上を伸ばす一方で、映像化やアニメ化といったメディアミックス戦略によって裾野を広げている漫画業界。こうした時代に求められる創り手と読者の新しいマッチングのあり方についての提案が課題です。

「私が指導しているデータサイエンスは、今年度から開設した情報科の一科目です。これまでの社会では、経験などを基に物事を進めてきたわけですが、現在はビッグデータなどを活用する時代へと移行しつつあります。そのための基礎となるのがこのデータサイエンスです。このコンテストはデータ解析と若い発想で新たな提案を行うものであり、授業で目指している方向と合致しているんですね。そこで生徒たちに出場してみないかと声をかけたところ、やりたいという声が上がったので取り組みました」と斯波先生。7月上旬に主催者側が用意した資料を入手し、まずはその解析からスタート。「コミックの巻別・日別の売上指数データ」など、授業ではなかなか用意することのできないビッグデータを使って解析を行う、またとない機会にもなりました。
その過程で生徒が着目したのが、紙媒体市場(漫画雑誌や単行本)と比較した電子書籍市場の好調ぶりと、映像化やアニメ化されると漫画の売上も上がるという相関関係についてです。そうしたことから「漫画の市場を盛り上げたい! 〜読者と本屋と作者を繋ぐ最新アプリ」と題し、プランに取り組みました。

<プレゼン資料より>

「データ解析から浮かび上がったさまざまな相関性から導き出したのが、漫画アプリの提案と、漫画動画の制作です」と語るのは、プレゼンテーション時のスライド作成などを担当した怡土天志(いと てんし)さん。漫画アプリは、漫画雑誌に電子書籍とリンクするQRコードを掲載することで、電子書籍を読む層にも紙媒体に興味を持ってもらおうというもの。そして漫画動画とは、電子書籍の漫画に音声を加えることで、アニメーションのように楽しめるという提案です。
「漫画のアニメ化にはコストがかかりますが、音声を加えるだけならコストを抑えることができます。また彼らは社会課題にも着目していて、漫画動画を提案することで、デビュー間もない声優が活躍する場を広げたいとも考えたようです」と斯波先生。

また今回のチームリーダー役を務めた石黒達也さんによると、「7名でアイデアを出し合ったこともあり、メインとなった提案の他にもYouTubeを活用して漫画総選挙を行う案や、複数の作品間でキャラクターのコラボレーションを行う案などさまざまな案が出てきました。それらも提案に盛り込んだので、審査員の方には『アイデアラッシュだね』と言われましたが、結果としては総合的に評価してもらえたと思っています」とのことでした。

コンテストは一次審査が資料提出で、そこで71組の参加チーム(内 高校生18組)が10組まで絞られます。実はこの段階で、プレゼンテーション用のシートが100枚以上と膨大だった玉川学園チーム。そこで、オンラインで実際にプレゼンテーションを行う二次審査に向けてアイデアを絞るという作業に取り組みました。

「二次審査は10分間のプレゼンテーションなのですが、時間内に収めるためにはシートを60枚に絞る必要がありました。この作業が一番大変でしたね」と怡土くん。夏休み期間中にオンラインでミーティングを重ね、生徒同士で発表内容をブラッシュアップ。斯波先生も「彼らが積極的に参加してくれたことが、今回の評価につながったのかなと思いますね」と、生徒の頑張りを評価します。

<プレゼン資料より>

こうして9月5日(土)に行われた本選発表会・審査会において、玉川学園チームは高校生部門賞を受賞。今までプレゼンテーションの経験のない生徒たちが、提案のためのシートを作成し、オンラインで発表を行ったことは、今後の学習においても大いに役立つものとなりました。斯波先生も「大学生と同じ舞台でプレゼンテーションができたことは、彼らにとってとてもいい経験になったと思います。彼らが大学生や社会人になれば、プレゼンテーションの機会は増えてくるはずです。この貴重な経験はプレゼンテーションスキルの育成にも繋がったと感じています。今後はデータサイエンスの授業でも高度な分析に取り組んでいきたいですね」と語ってくれました。

現在注目を集めている、統計学の基礎にもなっている、データサイエンス。数学を基盤としたこの知識がビジネスと深く結びついていることを、生徒たちも実感したのではないでしょうか。彼らにとって今回の経験が、より深くデータサイエンスを学ぶ機会になることを願っています。

生徒コメント

  • 石黒達也さん
    石黒達也さん

    データを解析するだけでなく、それをどうやってビジネスに結びつけていくのかがとても難しい一方で、やりがいも感じました。二次審査では大学生チームの質疑応答が素晴らしく、プレゼンは上手な返しなどで相手を惹き付けることが重要だと実感。何より、データをどう役立てるかが重要なのだと気づかされました。

  • 怡土天志さん
    怡土天志さん

    ロボット部でプログラミングに触れたことで、データサイエンスに興味を持ちました。今回のコンテストに参加してみて、大学生チームのデータ分析の手法やその活かし方、さらにプレゼンテーションの上手さがとても勉強になりました。大学でも情報系の学部でこの分野を深く学びたいと思っています。

受賞したチームの紹介

受賞チーム名:七つの玉川
提案内容:漫画の市場を盛り上げたい! 〜読者と本屋と作者を繋ぐ最新アプリ
メンバー:石黒達也、怡土天志、伊藤凪紗、島本将己、原龍也、山口友樹、山崎健太

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