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株式会社ゼルビア 大友健寿代表取締役社長をお招きして行われた、12年生の教育連携授業。コロナウイルスに負けない企業経営について語っていただきました。

2020.11.17

玉川学園は地域連携事業の一環として、サッカーJリーグクラブチームのFC町田ゼルビアと2009年よりトップパートナー契約を締結しています。延長教育プログラムのサッカー教室から大学での卒業研究まで、各ディビジョンで教育連携を実践。またFC町田ゼルビアの選手がチームビルディングにTAPを導入するといったことも行われてきました。そして10月29日(木)には、株式会社ゼルビアの代表取締役社長である大友健寿氏が来校。12年生の選択授業「政治・経済セミナー」にて教育連携授業が行われました。

大友社長による12年生特別授業は毎年行われており、その内容は「地域連携および食育を、Jリーグクラブチームがどのように行うか」について考えるなど、その時節ごとの旬な話題をFC町田ゼルビアと絡めたものとなっています。本年度のテーマは昨年度と同じ「株式会社としてのゼルビア」。新型コロナウイルス感染症がスポーツビジネスに与える影響についての内容が含まれました。
またコロナ禍での外部講師の方による授業となるため、オンライン会議ツールを使用し、大友社長は別教室からリモートでの参加に。質疑応答のみ、生徒がいる教室に入って答えていただくという形式を取りました。

「皆さんこんにちは」と、モニター越しに生徒に話しかける大友社長。例年とは異なる形式ですが、いつものように分かりやすい説明が行われました。この日の授業の始まりは、「会社とは何か?」からでした。会社とは、利益を出すために人々が集まって作った集団のこと。そして株式を発行するなどして資金を調達します。株式会社ゼルビアにも数多くの株主が存在しますが、現在の筆頭株主は2018年に経営参画した株式会社サイバーエージェントです。「近年は投資資金を活用し、クラブハウスを設置したり、町田市と協力してスタジアムの拡張などを行っています。観客席を15,000席に増席することで、JリーグのJ1ライセンス発給に必要な条件が整うことになります」と大友社長。サッカーの試合を開催するだけでなく、こうした環境を整えることが安定した収益の確保につながると、大友社長は生徒たちに説明します。

そして「収益から費用を差し引いた残りが、利益になります」と説明する大友社長ですが、一般企業と異なり、降格の不安や選手の怪我、チーム成績といったプロスポーツチームならではの悩みも抱えているとのこと。さらに本年度は、新型コロナウイルスがクラブ経営に大きな影響を与えています。
「サッカー選手はチームの社員ではなく、一人ひとりが個人事業主。コロナウイルスの影響で試合が開催されなくても、年俸の減額はできません。また中断されていたリーグ戦が再開した後も観客数には制限があり、収入は以前のレベルには戻らないなど、苦労は絶えませんね」。

ただ、企業としてはこうした状況に手をこまねいているわけにはいきません。株式会社ゼルビアでは自粛期間中に新たなビジネスプランを企画。まずは公式アプリを介して、チームが得点を入れたら「投げ銭」ができるシステムを導入しました。また町田地域の飲食店支援を目的に、サブスクリプション(定額)サービス「まちパス」もスタート。地域に根ざした企業であるプロスポーツチームだからこそのアイデアを、次々と形にしていったそうです。
このように株式会社ゼルビアは企業としての利益を追求すると同時に、コンプライアンスを遵守。その上で、2022年にはJ1昇格、2027年にはJ1優勝、そして2030年にはアジアチャンピオンズリーグ優勝という大きな目標を掲げています。
「そのためにはチームを強化しなくてはいけないし、企業としての規模も拡大しなければなりません。現状で、J1でもっとも年間収入の多いチームとFC町田ゼルビアでは、売上に約10倍の差があります」と大友社長。さらに世界屈指のクラブチームとなれば、そのJ1のトップチームの10倍の売上なのだそうです。FC町田ゼルビアも、そうした海外主要リーグレベルのチームをめざしたいと、大友社長は最後に語ってくれました。

質疑応答の時間には、男子生徒から、「JリーグのJ1ではチームに15,000席以上のスタジアム設置を義務づけていますが、スペイン1部リーグには8,000席のチームも存在します。J1も、そのレベルでいいのでは?」といった質問が。これに対し大友社長は「実にいい質問ですね。席数については私たちもJリーグにお願いしたことがあるんです。ただスペイン1部リーグの場合、世界中から放映権収入を得ることができます。そうしたバランスを考慮した上での、Jリーグの規定だと思います」と答えてくれました。

こうしてこの日の教育連携授業は終了しました。プロサッカーチームを強くするには良い選手を集めることも重要ですが、ビジネスの面からできることも数多くあるのだと気づかせてくれる授業でした。人気の高いサッカーだからこそ、生徒たちから「自分ならこうやってチームを強くする」といったアイデアが生まれるのかもしれません。
玉川学園は、J1昇格をめざすFC町田ゼルビアを応援し、今後もさまざまな形で教育連携に取り組んでいきます。

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