感染拡大防止策を講じ、農学部で対面での実験・実習が再開されました
玉川大学では新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、春学期の授業はすべてオンラインで行ってきましたが、秋学期は実技・実験・実習等を中心とする科目で対面授業を行っています。
農学部は講義による知識・理論の修得と実験・実習を通しての観察力や技能の修得により総合的かつ学際的な視点を身に付けることを目標にしています。特に実験・実習での「実物」を重視した学修は生物・化学を中心に扱う学問として重要視しており、カリキュラムの中にも実験科目やフィールド実習をふんだんに設けています。
春学期のオンライン授業では実際に実験器具を使用することやフィールドでの実習が行えず、さまざまな形で授業が行われました。講義と実験動画を組み合わせた授業を展開したり、作物の成長の状況をライブ配信したり、少しでもスムーズに対面授業に移行できるよう工夫しての授業でした。

ンが置かれ、適切な距離を保ちながら行われている。
そしてようやく秋学期より学生たち待望の対面での実験・実習が再開しました。実施に当たり教員はもちろん、学生に手指の消毒、健康観察表への日々の体温等の記入を義務付けています。実験室では入退室時のアルコール消毒、飛沫防止パーテーションの設置、十分な換気を取るなど随所で対策を講じています。1年生は入学後、初めての実験ということもあり、緊張しながらも熱心に取り組んでいました。オンラインと違い、隣の仲間と距離を取りつつもコミュニケーションを取りながら実験を進める光景が印象的でした。「高校時代はあまり実験の時間がありませんでした。今日の実験では複雑な手順も自分で行い、大学で学んでいるという実感が湧きました」といった感想が聞かれました。


1年生は大学に入学してから初めての実験となった。表情も真剣そのもの。

作業内容をメモに取る際も仲間との間隔には気を遣う。
一方、フィールド実習は、屋外ではありますが密を避けるため、本来ならば皆で協力しながら行う畝づくりの作業を、個々の区画に分けて行いました。学生たちは自分の与えられたエリアを一所懸命に耕し、種まきをする光景が見られました。「室内で受ける授業も大切ですが、太陽の下でマスク越しですが土や草の匂いを感じながら行う実習は格別に気持ち良かったです。」「久しぶりに土を触った気がします。隣で同じ作業をする仲間の様子を見られるのも安心感につながりました」と話していました。実習終了後には、使用した農具の消毒もしっかりと行われました。

ひとつずつ重量などを計測し、記録する。
創立者小原國芳は「百聞は一見に如かず、百見は一労作に如かず」と唱え、何よりも体験を通した学びが尊いと説いています。依然新型コロナウイルス感染症の拡大が続いている状況ですが、農学部では必要な対策を講じ、学生たちに「実物」を通した学びの機会を提供していきます。